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10ギガ回線にUPSは必要?ONU・ルーターを停電から守る構成

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最終更新日:2026年9月11日

10ギガ回線を使っていても、停電すると自宅のONUやルーターは止まります。光ファイバー自体に問題がなくても、宅内機器へ電気が届かなければ通信できません。

UPSは、すべての家庭に必須というわけではありません。ただし、在宅勤務、ひかり電話、見守り機器、NASを止めたくない家庭では導入する価値があります。

UPSは「無停電電源装置」のことです。停電や瞬間的な電圧低下が起きたとき、内蔵バッテリーから機器へ電気を送ります。

ONUだけをUPSにつないでも、停電対策としては不十分な場合があります。通信に必要な機器を上流から順番に確認し、途中で止まる機器がない構成にします。

この記事では、2026年9月11日時点の公式情報を基に、UPSの必要性や配線、稼働時間、選び方を整理します。実際の構成は、契約先と機器の説明書も確認してください。

10ギガ回線にUPSが必要かを先に判断

停電中も固定回線を使う明確な理由があるなら、UPSを検討してください。スマートフォンの回線で足りるなら、無理に導入する必要はありません。

利用状況必要性理由
在宅勤務やオンライン会議が多い高い短い停電や瞬停による通信切断を避けやすい
ひかり電話を連絡手段にしている高い回線機器が止まると発着信できない
見守りカメラやスマートホームを使う高い外出中の停電でも通信を一定時間残せる
NASや自宅サーバーを常時運用している高い通信維持と安全な終了時間を確保できる
ゲームや動画視聴が中心中程度瞬停対策にはなるが、停電中の優先度は低い
停電時はスマートフォン回線で困らない低いUPSの購入費と電気代を省ける

UPSを入れても、通信速度が速くなるわけではありません。主な目的は、瞬停による通信切断を防ぎ、短時間の停電でも通信を維持することです。

ONUだけをUPSにつないでも通信できないことがある

停電対策では、インターネットにつながるまでの電源供給経路をすべて確認します。1台でも必要な機器が止まれば、その先は通信できません。

順番機器・設備停電時の確認点
1回線事業者側の設備自宅のUPSでは保護できない
2ONU・ルーター一体型ONU光信号を宅内LANへ渡すために電源が必要
3ホームゲートウェイ接続、電話、ルーター機能を担当する場合がある
4市販Wi-Fiルーター・親メッシュ無線接続を残すなら給電が必要
510GbEスイッチ・PoEスイッチ経路上にある場合は給電が必要
6パソコン・電話機・子機利用する端末側にも電源が必要

たとえば、ONUとルーターをUPSで守っても、間にある10GbEスイッチが止まれば有線LANは切れます。メッシュWi-Fiの親機が別にある場合は、親機にも電源が必要です。

光回線では、途中に電源不要の光スプリッターが使われる場合があります。ただし、局側設備や回線障害までは家庭用UPSで守れません。

ひかり電話は電話機側の電源も確認する

ひかり電話を残したい場合は、ONUやホームゲートウェイだけでなく、電話機やコードレス親機の電源も確認してください。

NTT東日本は、停電時は緊急通報を含めて通話できず、UPSなどを用意すれば一定時間使える場合があると案内しています。宅内機器へ給電しても、事業者側の設備状況によって使えない場合があります。

出典:NTT東日本「ひかり電話」

1ギガより10ギガ環境で消費電力を確認すべき理由

10ギガ環境では、ONU、ホームゲートウェイ、市販ルーター、10GbEスイッチなど機器が増えやすく、UPSで守る機器の合計W数も大きくなりがちです。

NTT西日本のXG-100NEは、電源アダプターを含む最大消費電力が35Wです。常に35Wを消費するわけではありませんが、UPSを選ぶときの上限確認には使えます。

出典:NTT西日本「XG-100NE 取扱説明書」

UPSの稼働時間を見積もるには、実際の消費電力も確認する必要があります。機器のラベルにある最大値だけでなく、コンセント式電力計で通常時のW数も測ります。

定格値と実測値は目的を分けて使う

UPSの出力容量は定格値で余裕を見て確認し、停電時の稼働時間は実測値から見積もると、容量不足や過大な製品選びを避けやすくなります。

数値使い道注意点
ACアダプターや本体の定格UPSの出力上限を超えないか確認実際の消費電力より大きいことが多い
通常時の実測W数バックアップ時間の見積もりWi-Fi通信量やポート数で変動する
起動時・高負荷時の実測W数余裕を含む容量選びNASやPoE機器を含めると増えやすい

おすすめの接続構成は3段階

まずは「通信に必要な最小構成」だけをUPSにつなぐのがおすすめです。機器を増やすほど、同じUPSでも稼働時間は短くなります。

構成1|ONUとルーターだけを守る

停電中もスマートフォンやノートPCをWi-Fiで使うなら、ONUとルーターを同じUPSにつなぐ構成が基本です。

ONUとルーターが一体型なら、保護する電源は1台分です。別々なら、両方のACアダプターをバッテリー給電口へつなぎます。

UPSへつなぐ通常はつながない
ONU、ホームゲートウェイ、親Wi-FiルーターデスクトップPC、モニター、プリンター、テレビ

この構成はUPSの負荷を抑えやすく、稼働時間を長く取りやすいのが利点です。停電中はバッテリー内蔵端末を使います。

構成2|ひかり電話まで守る

電話を優先するなら、通話に必要なホームゲートウェイと電話機まで、配線をたどって給電します。

コードレス電話は親機が止まると使えません。停電対策を重視するなら、親機の消費電力も合計に含めます。

ただし、緊急通報をひかり電話だけに依存するのは避けたほうが安全です。充電済みの携帯電話も用意しておきます。

構成3|10GbEスイッチやNASを分けて守る

NASを使う家庭では、通信機器用UPSとNAS用UPSを分けると、停電時の優先順位を管理しやすくなります。

NASは、停電中に動かし続けることより、安全に終了できる時間を確保することが重要です。USB連携などで自動シャットダウンできる構成を選びます。

NASを停止したあとも、通信機器はバッテリーが続く限り動かせます。NASを同じUPSへまとめると、ディスクの消費電力で通信時間まで短くなります。

10GbEスイッチを経由しないとルーターへ届かない配線なら、スイッチも通信機器側へ入れます。停電中に使わない子メッシュやPoE機器は、別系統に分ける方法もあります。

UPSで何分使えるかを公式データで計算

「550VAだから○分使える」といった決め方はできません。UPSの機種と接続機器の合計W数を、メーカーの稼働時間表へ当てはめます。

例として、オムロンBW55Tの公式値を使います。この機種は550VA・340Wで、周囲温度25℃、新品バッテリーでの参考値です。

UPSにつないだ機器の実測合計BW55Tの参考バックアップ時間想定しやすい構成例
20W105分省電力なONU・ルーター中心
40W60分ONU・高性能ルーターなど
50W50分ホームゲートウェイとWi-Fi機器など
60W36分通信機器に小型スイッチを追加
80W28分メッシュ親機や複数機器を含む
100W22分通信機器とNASの一部をまとめる

表の構成例は、特定製品の消費電力を示したものではありません。必ず自宅の機器を測定し、同じW数の行を使ってください。

出典:オムロン「BW120T/BW100T/BW55T/BW40T 取扱説明書」

劣化後まで考えて必要時間の2倍で選ぶ

新品時に30分動けばよい場合でも、選ぶ際は60分を目安にします。バッテリー劣化で稼働時間が半分以下になる可能性があるためです。

オムロンの選定ツールも、必要なバックアップ時間の2倍以上を設定するよう案内しています。室温や放電回数によっても結果は変わります。

出典:オムロン「UPS選定ツール」

簡易計算だけで時間を決めない

バッテリーのWhを消費電力で割る方法は目安にすぎません。変換損失と、負荷による放電特性を含む公式表を優先してください。

100Whのバッテリーでも、100Wの機器を1時間動かせるとは限りません。UPS自身も電気を使い、電池から交流へ変えるときにも損失が出ます。

10ギガ回線向けUPSの選び方

UPSを選ぶときは、容量だけでなく、W数、稼働時間、波形、切替時間、電池交換、音、コンセント数も確認します。

確認項目見るポイント理由
出力容量VAとWの両方が負荷を上回る片方だけ満たしても使えない場合がある
稼働時間実測W数に対応する公式表を見る同じVAでも電池容量や方式で変わる
出力波形迷ったら正弦波接続機器との相性問題を避けやすい
切替時間接続機器が耐えられるか確認常時商用方式では切替時に短い空白がある
電池交換交換品の入手性と費用UPS本体より先に電池が劣化する
コンセントバッテリー給電口の数と間隔大きいACアダプターは隣の口をふさぎやすい
音と発熱通常時・停電時のファンと警報音寝室や仕事部屋では負担になりやすい
管理機能残時間表示、自己診断、USB通知劣化や停電を把握しやすい

正弦波ならすべて解決するわけではない

正弦波は選びやすい方式ですが、最終的にはACアダプターとUPSの組み合わせで停電テストを行います。

ネットワーク機器は小型のACアダプターを使うことが多いものの、波形や切替時間への耐性は製品ごとに違います。

オムロンBW55Tは、停電時も正弦波を出力し、切替時間は10ms以内です。ただし説明書には、瞬間的な停電に弱い機器には使わないよう注意書きがあります。

ポータブル電源はUPSと同じとは限らない

ポータブル電源に給電切替機能があっても、切替時間や常時接続の条件を確認せずにUPS代わりに使うのは避けてください。

製品によって切替時間、充電制御、停電時の動作が違います。ルーターが再起動すれば、目的だった瞬停対策になりません。

DC出力型の小型バックアップ電源は変換損失を減らせる場合があります。ただし、電圧、極性、端子が一致しないと故障の原因になります。回線事業者から借りている機器なら、純正ACアダプターをそのまま使う構成のほうが分かりやすいでしょう。

UPS本体の電気代も含めて考える

UPSは停電していない時間にも電気を使います。購入費だけでなく、UPS自体の消費電力や交換バッテリーの費用も維持費に含めて考えます。

BW55Tの通常時の内部消費電力は、無負荷で10Wとされています。この10Wが1年間続くと仮定すると、消費電力量は87.6kWhです。

電気料金を31円/kWhと仮定した場合、年間約2,716円です。実際の料金、充電状態、負荷、UPSの機種によって変わります。

計算項目計算結果
年間消費電力量10W÷1,000×24時間×365日87.6kWh
年間電気代の例87.6kWh×31円約2,716円

同シリーズのBW55Tは、25℃でのバッテリー期待寿命が5年です。これは保証値ではなく、温度や使用状況で短くなる場合があります。

出典:オムロン「バッテリの寿命について」

停電時の通信時間を延ばす優先順位

停電したら、必要な機器だけを動かします。10ギガの速度より、連絡と最低限の通信を長く保つことを優先します。

  1. NASのバックアップや大容量転送を止める
  2. 不要な10GbEスイッチやPoE機器を停止する
  3. 使わないメッシュ子機やアクセスポイントを停止する
  4. ノートPCとスマートフォンの省電力設定を有効にする
  5. 停電が長引く場合は携帯回線へ切り替える

停電中に10Gbpsの性能を維持する必要はほとんどありません。連絡、情報収集、仕事の保存に必要な経路だけを残します。

回線と携帯回線を二重化する

長時間の停電まで想定するなら、UPSに加えてスマートフォンのテザリングや別回線も用意しておくと安心です。

UPSで対応できるのは主に宅内の停電です。事業者設備の停止、光ファイバーの断線、回線障害には対応できません。携帯基地局も無制限に動くわけではありませんが、故障経路を分けられます。

設置後に行う停電テストと点検

UPSは設置するだけでは十分ではありません。導入時と半年ごとを目安に、通信を使ったまま給電が切り替わるか確認します。

  1. 説明書どおりに充電し、UPSの自己診断を行う
  2. ONU、ルーター、必要なスイッチだけを接続する
  3. 通常時と通信中の合計W数を記録する
  4. UPSの入力プラグを抜き、バッテリー運転へ移るか確認する
  5. Wi-Fi、有線LAN、IPv4、IPv6、ひかり電話を確認する
  6. 5分、15分、30分など必要時間まで動作を見る
  7. 復電後に充電へ戻ることと、警告表示がないことを確認する

テスト中は、UPSの電源出力口や配線には触れないでください。異臭、異音、異常な発熱があれば使用を中止します。

記録は「新品時の稼働時間」だけで終わらせない

同じ負荷、同じ時間で定期的にテストすると、バッテリーの劣化を数字で追いやすくなります。

記録項目記録例
実施日2026年9月11日
接続機器ONU、ホームゲートウェイ、親Wi-Fi
合計負荷通常42W、最大48W
確認時間30分
終了時残量表示45%
通信結果IPv4・IPv6・Wi-Fi・電話とも正常

復電後につながらないときの再起動順

UPSの電池が切れて全機器が停止した場合は、回線側から端末側へ順番に起動します。

  1. 停電が解消し、電源が安定していることを確認する
  2. ONUを起動し、光回線のランプが安定するまで待つ
  3. ホームゲートウェイまたは親ルーターを起動する
  4. 10GbEスイッチ、Wi-Fi、メッシュ子機を起動する
  5. パソコンやNASを最後に起動する

複数の機器をまとめて何度も再起動すると、どこに原因があるのか分かりにくくなります。1台ずつランプと接続状態を確認します。

UPSで防げること・防げないこと

UPSは、宅内の電源を守るための機器です。回線そのものの故障や、地域全体の通信障害まで防ぐ装置ではありません。

できることできないこと
瞬停時にONUとルーターを動かし続ける事業者側設備の停止を直す
短い停電中の通信を維持する光ファイバーの断線を直す
NASを安全に終了する時間を作る無期限にインターネットを使い続ける
一定範囲の電圧変動やサージに備える製品の耐量を超える直撃雷を必ず防ぐ

大規模災害では、UPSの残量を通信だけに使い切らない判断も必要です。照明、携帯電話の充電、ラジオなどを含め、家庭全体の備えとして考えます。

よくある質問

ONUとルーターは同じUPSにつないでよいですか?

合計のVAとWがUPSの定格内で、必要な稼働時間を満たせるなら、同じUPSへつないで構いません。

大きなACアダプターは、隣のコンセントをふさいでしまう場合があります。無理に差し込まず、説明書で許可された方法を使います。

10ギガ対応なので大容量UPSが必要ですか?

回線速度だけでは決まりません。UPSへ接続する機器の実測W数と、必要な時間で決めます。

通信機器だけをつなぐなら、PCまで保護する場合よりUPSの負荷を抑えられます。10GbEスイッチやNASを加えると必要量が増えます。

UPSへデスクトップPCもつなぐべきですか?

通信の継続が目的なら、PC用と通信機器用を分けたほうが稼働時間を管理しやすくなります。

高性能PCは負荷が大きく、通信機器の稼働時間を短くします。PCはデータ保存と安全な終了を目的に、別の容量で選びます。

雷対策だけならUPSを買えば十分ですか?

UPSだけですべての雷被害を防げるとは限りません。製品のサージ保護範囲と、建物側の対策を分けて考えます。

光ケーブルは電気を流しませんが、電源線やLAN配線など別の経路から影響を受ける場合があります。

停電中も10ギガの速度は出ますか?

必要な宅内機器と事業者側設備が動いていれば通信できますが、速度が保証されるわけではありません。

停電している範囲や回線の混雑、接続先の状態によっても速度は変わります。非常時は最高速度より、接続が続くことを優先します。

まとめ|通信に必要な最小構成から守る

10ギガ回線でUPSを使うなら、ONUだけでなく、通信経路にあるすべての機器を確認して選ぶ必要があります。

在宅勤務、ひかり電話、見守り、NASを使う家庭では、短い停電や瞬停への備えになります。停電時に携帯回線で十分なら、必須ではありません。

まず、コンセント式電力計で通常時と高負荷時の消費電力を測ります。そのうえで、メーカーの稼働時間表と、劣化後を考えた2倍の時間を基準に選びます。

通信機器とNAS・PCを分ければ、停電時でも必要な通信を長く維持しやすくなります。半年ごとの停電テストと、交換時期の管理も忘れないようにしてください。

関連ページ

UPSへつなぐ機器を決める前に、現在のネットワーク構成と各機器の役割も確認してください。