WiMAXで生配信・ゲーム配信はできる?おすすめではないがする方法はある
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最終更新日:2025年1月15日
目次
WiMAXでは生配信をするのに必要な速度が出ない可能性がある
YouTubeLiveやTwitch、ニコニコ生放送などのライブ配信サイトで生配信をするには通信速度が速くて安定しているインターネット回線が必要です。
生配信は原理的には映像をリアルタイムで録画、エンコードしながらアップロードしているようなものです。
OBSで取り込まれた映像や音声は5Mbpsくらいでアップロードしています。なので最低でもアップロード速度が5Mbps以上の通信速度が必要ということになります。
ビットレートを下げるとアップロード速度がもう少し遅くても配信はできますが、あまり下げると画質が悪くなって配信画面が見にくくなるのでできるだけ下げないほうがいいでしょう。
さらに生配信をするにはOBSで映像をアップロードするだけではなく別の通信も必要です。例えばコメントを読んだり、配信をオンオフにしたり、音声チャットをしたり、ゲーム対戦で通信したりするときにも通信をします。
なので実際にはアップロード速度が15Mbps~30Mbpsくらい必要です。
WiMAXで生配信をするには不可能ではないがおすすめではない
受信速度は速いが送信速度がかなり遅い
WiMAX比較 | 最大受信速度 (ベストエフォート) | 最大送信速度 (ベストエフォート) |
---|---|---|
Speed Wi-Fi HOME 5G L13 | 4.2Gbps | 286Mbps |
Speed Wi-Fi 5G X12 | 3.9Gbps | 183Mbps |
WiMAX 2+ | 440Mbps | 75Mbps |
光回線(1Gbpsプラン) | 1Gbps | 1Gbps |
「WiMAX」の最大速度は4.2Gbps、3.9Gbpsと書かれていることが多いですがこちらの速度は最大ダウンロード速度です。
確かにWiMAX +5Gの最大ダウンロード速度は4.2Gbpsとなっていて速いです。現在の一般的な光回線は最大速度が1Gbpsのものが多いので、5G通信の方が4.2Gbpsなので速いというイメージを持っている方もいるかもしれません。
ですがWiMAX +5Gは最大送信速度が286Mbpsしかありません。
光回線の場合だと1Gbpsプランでは最大受信速度も最大送信速度も1Gbpsとなっています。
生配信では映像のアップロードをしなければならないのでアップロード速度が遅いWiMAXは光回線よりも向いていないです。
WiMAXは通信速度が遅くなりやすい
WiMAXでは光回線よりも通信速度が遅いので生配信には向いていません。
WiMAX +5Gの場合はルーターが「Speed Wi-Fi HOME 5G L13」の場合、最大アップロード速度が286Mbpsとなっています。こちらの数字は環境や混雑状況が悪くない状態の最大速度である「ベストエフォート」の速度です。
ベストエフォートの数字は実際に出ることは全くといっていいほどありません。実際には基地局の距離から遠かったり、電波が届きにくい場所だったり、多くの人が使って混雑したりすることでベストエフォートよりも通信速度が遅くなります。
なので実際の速度は15Mbps前後になるでしょう。(WiMAX +5Gエリアの場合)。
実際に「みんなのネット回線速度」というサイトで「Speed Wi-Fi HOME 5G L13の通信速度レポート」を見ると平均アップロード速度が「24.82Mbps」となっています(2024年1月20日時点での結果)
WiMAXなどの無線通信回線は不安定
さらにWiMAXなどの無線通信回線は有線の光回線よりも環境による影響を受けやすいです。例えば雨が降っただけで速度が下がる可能性が高いです。
なので実際の速度が1Mbpsくらいしか出なかったり、通信が不安定になってとぎれとぎれになったりします。
WiMAX +5Gではアップロード速度が実測15Mbpsくらいにはなるので配信はできなくはありません。ですが通信が安定していないので、配信中に画面が途切れたり配信が止まってしまう可能性もあります。
光回線ならアップロード速度がベストエフォートで1Gbps、実測は200Mbpsくらい出ます。光回線の場合も環境や混雑状況で通信速度が速くなったり遅くなったりしますが50Mbps以下になることはあまりありません。
安定した配信をしたい方にはWiMAXはおすすめできません。
WiMAX +5Gエリアなら配信できる可能性は高くなる:エリアの確認が必要
「WiMAX +5G」は名前の通り5G回線を利用しているので以前のWiMAX 2+よりは生配信ができる可能性が高いです。
ですがWiMAX +5Gのエリアはまだまだ拡大が遅いです。必ずエリアの確認をしなければいけません。
ドコモなどの5Gエリアよりも拡大しているスピードが遅いので、ドコモが5GエリアだからといってWiMAX +5がエリア内であるわけでは全くありません。
もし+5Gのエリアでなければ今までと同じWiMAX 2+で通信することになります。+5Gエリアでの通信速度は実測約15Mbpsなのに対してWiMAX 2+エリアでは約5Mbpsなので大きな違いです。
配信できるかどうかの境目の速度なので注意しなければいけません。
※ WiMAX 2+エリアでは速度制限「3日制限」に注意:強制的に速度が1Mbpsになる
引用元:WiMAX2+サービス ネットワーク混雑回避のための速度制限について|UQ WiMAX(ルーター)
WiMAX 2+にはいわゆる「3日制限」と呼ばれる通信速度制限があります。
WiMAX 5Gにも「使用量が多い人は通信速度制限をされることがある」と書かれていますが、WiMAX 5Gでそのような通信速度制限をされたという報告は聞いたことがありません。あったとしてもおそらく1Gbpsなどのそこそこの速度で通信できるでしょう。
「3日制限」とは3日間の合計通信量がWiMAX 2+では10GBを超えると次の日の通信速度が1Mbpsにまで下げられてしまう制限です。
配信で使う通信量は配信内容にもよりますが1回の配信で3GB~5GBくらいの通信量があると思われます。もし毎日配信をしていたらすぐに15GBを超えてしまい3日制限になってしまいます。
3日制限に引っかかると通信速度が1Mbpsになりますが、1Mbpsでは生配信は解像度や画質をかなり下げないとできません。ビットレートを500kbpsなどにすると画質はとても悪くなって何をしているのかわからないような画面になってしまいます。
それでは配信はほぼ不可能なので毎日配信はできないでしょう。
もし毎日配信をしなかったり、3日制限にかかっている時だけ配信を休みにする、配信以外にできるだけ通信をしないなどの対策をすれば配信はできなくはないでしょう。
※ スマホ向けの配信サイトなら可能
スマートフォンのアプリで配信できる配信サイトでは「WiMAX」で配信ができる可能性が高いです。
YouTubeLive、Twitch、ニコニコ生放送などのPC用ではないスマホ用のアプリではスマホででも配信できるように通信速度が必要になっていないことがあります。
ただしスマホでする配信となるとビットレートが低く設定されていたり、画質をあげられないと思われるのでゲーム配信などは難しいでしょう。スマホでは音声のみの配信以外は難しいと思われます。
屋外で生配信をする場合などあまり画質を気にしなくてもいい配信内容ならWiMAXでも可能です。
生配信・ゲーム配信をしたい方はどの回線を契約すればいいの?
光回線を契約する:できなければ引っ越しも検討
やはり配信をしたい方はまず光回線を真っ先に選ぶべきです。
ゲーム配信におすすめの光回線は最大受信速度2Gbpsの「NURO 光」や独自回線の「auひかり 」です。またエリアが広い「ドコモ光」もおすすめです
ただし光回線は工事をしなければならないのでネットに繋げられるようになるまで時間がかかります。
ですが光回線のプロバイダには光回線を契約してから工事が終了してインターネットが開通するまでの間、安くモバイルルーターをレンタルできるプロバイダも多いです。そちらのモバイルルーターを利用するのもおすすめです。
もし光回線が利用できないのであれば光回線をつなげられる部屋まで引っ越しをすることがおすすめです。生配信を光回線以外でするのは難しいからです。
これは生配信をするには引っ越す前から準備が始まるという考え方にならないと仕方ないです。
引っ越し前にできるだけ
- この部屋で光回線が契約できるかどうか
- 自分の好きな回線事業者・プロバイダが選べるかどうか
- 光回線の工事をしてもいいか
を確認しておいたほうがいいでしょう。
詳しくはこちらのページを参考にしてください
★WiMAXで配信をするとしたら?
すぐに引っ越しできない場合はWiMAXがおすすめ
モバイル回線 | 5G最大速度(ベストエフォート) | 4G最大速度 |
---|---|---|
WiMAX +5G | ダウンロード:4.2Gbps アップロード:286Mbps | ダウンロード:440Mbps アップロード:75Mbps |
ドコモ home 5G | ダウンロード:4.2Gbps アップロード:218Mbps | ダウンロード:1.7Gbps アップロード:131Mbps |
SoftBank Air | ダウンロード:2.1Gbps アップロード:非公開 | ダウンロード:612Mbps アップロード:非公開 |
Y!mobile | ダウンロード:2.4Gbps アップロード:110Mbps | ダウンロード:838Mbps アップロード:46Mbps |
(参考)光回線 1Gbpsプランの場合 | ダウンロード:1Gbps アップロード:1Gbps | ダウンロード:1Gbps アップロード:1Gbps |
もし引っ越しをすぐにすることができない方、引っ越したばかりでしばらくは住まなければいけない方は引っ越しをするまでの間にできるだけ速いモバイル回線を利用するのがいいでしょう。
もしモバイル回線を契約する場合、最大速度が速い「WiMAX」がおすすめです。ルーターを「Speed Wi-Fi HOME 5G L13」にすると最大アップロード速度が286Mbpsと高速になっています。
ただし現在5Gエリアはまだまだ拡大中なので5Gエリア外に住んでいる可能性があります。契約前に5Gエリアにあるか確認しなければなりません。
もしWiMAX +5Gエリア外の場合は「ドコモ home 5G」がおすすめです。
ドコモhome 5Gは5GエリアがWiMAX +5Gよりも広いのでWiMAX +5Gでエリア外だったとしてもhome 5Gならエリア内になっているということがあります。
ただし最大アップロード速度はWiMAX +5Gの「Speed Wi-Fi HOME 5G L13」よりも遅いです。WiMAX +5Gは286Mbpsですがhome 5Gは218Mbpsです。
ですがhome 5Gでも環境が良ければ実測は10Mbps~15Mbpsくらいでる可能性があります。このくらいでればライブ配信は不可能ではありません。
その次はY!mobileで5G・4G回線を利用したPocket Wifiがあります。
最大速度はWiMAXよりも遅いですが、もしかしたらY!mobileのほうが速度が出る可能性もあります。WiMAXはau系、Y!mobileはソフトバンクの回線なので別回線です。
別の回線なら基地局の距離が違うなどの理由で速度が全く違うこともありえます。WiMAXの速度が出なかった場合、Y!mobileを試してみてもいいでしょう。
Y!mobileよりもいいモバイル回線はおそらくありません。他のモバイル回線は最大通信速度が下り150Mbps、上り35Mbpsなどとなっていてとても低いです。実測では1Mbpsが出るかどうかということになります。
また他のモバイル回線には使い放題のプランがありません。基本的には「月に30GBまで」などの容量制限があり、それを超えると128kbpsまで下げられてしまうところがほとんどです。
128kbpsではまともにインターネットができないので実用的ではありません。
WiMAXでもOBSのビットレートを下げれば配信はできなくはない
通信速度が遅くても配信をできるようにするには出力するビットレートを下げます。OBSなどの配信ソフトの設定でビットレートを回線のアップロード速度より下げることで配信はできます。
ビットレートを変えるにはOBSの場合「ファイル」→「設定」→「出力」にある「ビットレート」という欄から変えられます。
※ビットレートは回線速度より高く上げることはできません。アップロードの速度が1Mbps (1000kbps)しかでないのにビットレートを5000kbpsなどにすることは不可能です。
ビットレートは回線速度よりも小さい数字にしないと映像のアップロードが間に合わないので配信画面がぶつぶつに切れたり、配信が止まってしまいます。それでは視聴者の方が配信をまともに見れなくなってしまいます。
配信前にはアップロード速度を確認する
安定した配信をするにはまず初めにインターネットの通信速度を計測するスピードテストでアップロードの速度を確認しなければなりません。
スピードテストは
- USEN GATE 02「インターネット回線スピードテスト・通信速度測定」
- Fast.com 「インターネット回線の速度テスト」
などがあります。どちらでもいいですがアップロード速度が見にくいところにあるスピードテストもあるので注意してください。
Fast.comのスピードテストの場合はダウンロードの計測が終わったあとに「詳細を開く」を押さないとアップロード速度が見られないので注意してください。
OBSのビットレートの数字をアップロード速度の半分に変える
自分のアップロード速度が10Mbps以下の場合 → OBSのビットレートを半分程度にする
【例】自分のアップロード速度:4Mbps → OBSのビットレート:2000kbps以下
アップロード速度が10Mbps以上ならビットレートを5Mbps (5000kbps)に、アップロード速度が10Mbps以下ならビットレートはアップロード速度の半分にします。
なぜ半分くらいにしなければいけないかと言うと理由は2つあります
- 生配信をするにはOBSがする配信画面のアップロード以外にもインターネット通信が必要なので余裕を持たなければいけないから
- もしネット回線が不安定になって通信速度が一時的に下がったとしても配信を続けられるようにしなければならないから
です。
ただし映像のビットレートが5Mbps以下に下げると画質が悪くなったり、ブロックノイズが出たり、動きがカクカクになったりすることが増えてきます。
あまりにも画質が悪いとライブ配信の視聴者の方にとっては見苦しく感じるのであまり5Mbps以下には下げないほうがいいです。
なのでやはり「WiMAX」などのモバイル回線ではあまり生配信には向いていないのがわかると思います。
WiMAXで配信をするには解像度を下げる
ビットレートが低くてもできるだけ画質を上げたい場合は解像度を下げるといいでしょう。
生配信の視聴者は配信画面をコメントと一緒に見ることが多いので配信画面を1280×720などの解像度で見ています。なのでアップロードの解像度を1920×1080にしなくても問題はあまりありません。
OBSの「ファイル」→「設定」→「映像」の「出力(スケーリング)解像度」を下げれば下げるほど解像度は低くなりますが、その分情報量も少なくなっていくので画質も上がっていきます。
ですが全画面で配信を見たいという視聴者の方ももちろんいるでしょう。解像度が1280×720やそれより低い映像を全画面(1920×1080など)で見ると映像が無理やり拡大されるということになるので画質が悪くなります。
画面が汚いと視聴者の中には見る気が失せてしまう方もでるかもしれません。
またCPU使用のプリセットをslowなど下の方にすると画質は良くなることが多いです。ただしCPUの使用率が上がるのでハイスペックなCPUが必要です。
他のモバイル回線と比較:他に配信ができるモバイルルーターはある?
モバイル回線 | 5G最大速度(ベストエフォート) | 4G最大速度 |
---|---|---|
WiMAX +5G | ダウンロード:4.2Gbps アップロード:286Mbps | ダウンロード:440Mbps アップロード:75Mbps |
ドコモ home 5G | ダウンロード:4.2Gbps アップロード:218Mbps | ダウンロード:1.7Gbps アップロード:131Mbps |
SoftBank Air | ダウンロード:2.1Gbps アップロード:非公開 | ダウンロード:612Mbps アップロード:非公開 |
Y!mobile | ダウンロード:2.4Gbps アップロード:110Mbps | ダウンロード:838Mbps アップロード:46Mbps |
(参考)光回線 1Gbpsプランの場合 | ダウンロード:1Gbps アップロード:1Gbps | ダウンロード:1Gbps アップロード:1Gbps |
配信ができるモバイル回線は「WiMAX」以外には「ドコモ home 5G」か「Y!mobile」のポケットWi-fiかのどちらかでしょう。
ドコモのホーム5Gは5G回線を利用したモバイル回線(ホームルーター)です。5Gという名前がついていますが、5Gエリア外では4Gで接続するので5Gエリア外の方でも利用できます。
通信速度が5Gエリアで送信速度最大218Mbps、4Gエリアでは送信速度最大131Mbpsとなっています。こちらの数字もベストエフォートなので実際にはもっと遅くなります。
WiMAXの最大アップロード速度はWiMAX +5Gエリアの286MbpsとくらべるとドコモのHome 5Gの方が最大速度が遅いですが、通信速度は環境によるので実測では早くなる可能性があります。
またドコモは5Gエリアが広いです。WiMAX +5Gではエリア外の方でもドコモではエリア内になっている可能性があります。
現時点ではモバイル回線を契約するとすればドコモもおすすめです。
またホーム5Gには通信制限はあるとは書かれていますが、どのタイミングで通信制限をするかは明確には書かれていません。
以前は「100GBまで使用すると制限かかかる」と書かれていましたが現在は書かれていません。また当日を含む直近3日間のデータ利用量が特に多いお客さまは、それ以外のお客さまと比べて通信が遅くなることがあります。
と注意書きがあります。制限が掛かる可能性がないわけではないので注意が必要です。
Y!Mobileの場合、通信量の上限がないです。また3日間で10GB以上使用した時に制限される「3日制限」があるのもWiMAX 2+とかなりにています。
ただしY!mobileの場合アップロードの最大送信速度が5Gエリアで最大110Mbps、4Gエリアのときは最大46MbpsとWiMAXの半分くらいになっています。こちらの数字はベストエフォートなので実際にこの速度は出ません。最大速度がWiMAXの半分くらいなので実際の速度もWiMAXの半分くらいになる可能性があります。
ですがもし運が良ければY!mobileはソフトバンクの5G・4G回線なのでau系のWiMAXの回線よりも速度は出ることはありえます。WiMAXの速度が出なかった場合、次に試すのはYmobileでしょう。
ソフトバンクAirというモバイル回線もあります。こちらは「通信量が多い人は制限する」ということしか書かれていません。
ですがソフトバンクAirでは一日での通信速度の変化が多いという報告があります。特に夜になるとかなり速度が下がるという数字が出ています。
このような不安定な通信速度では生配信にはあまり向いていないでしょう。