コラム

光回線の工事で壁に穴を開ける確率は高い?穴あけが必要な条件と避ける方法

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最終更新日:2026年8月22日

光回線を申し込むとき、「工事で外壁に穴を開けられるのではないか」「賃貸なので原状回復費用が心配」と感じる人もいるでしょう。

結論からいえば、光ファイバーを通すための新しい貫通穴は、すべての工事で開けるものではありません。通常は電話線用の配管やエアコンダクトなど、すでにある経路を利用できないか確認してから、新規穴あけが検討されます。

ただし、「室内へ通す約10mmの貫通穴」と「外壁の金具や光コンセントを固定する小さなビス穴」は別です。貫通穴を回避できても、戸建てや個別引き込みでは固定用の穴が必要になる場合があります。

この記事では、根拠のない穴あけ確率を示すのではなく、建物・設備・回線ごとに穴が開く可能性を判定する方法を解説します。

光ケーブル用の貫通穴を開ける確率は高いとはいえない

電話線用配管かエアコンダクトを利用できれば、光ファイバーを通すための新しい貫通穴は原則として不要です。

NTT東日本とNTT西日本は、住宅内へ光回線を引き込む際、電話用の配管かエアコンダクトを共用する場合が多く、住宅の状況によって約10mmの穴を開けるケースもあると案内しています。SoftBank 光も、既存配管とエアコンダクトの両方が利用できない場合に新規穴あけを行うことがあると説明しています。

この案内から、新規の貫通穴は標準工事で必ず行う作業ではなく、既存経路を使えない場合の選択肢だと分かります。ただし、回線事業者は全国一律の穴あけ件数や割合を公表していません。そのため、「10%」「半数以上」などの正確な確率を示すことはできません。

疑問回答
必ず壁に穴を開ける?いいえ。既存配管やエアコンダクトを使える場合は、貫通穴を開けずに引き込めます。
申し込み前に穴あけの有無を確定できる?設備記録で判断できる場合もありますが、配管の詰まりなどは工事当日に判明することがあります。
穴あけなしなら壁に傷は付かない?断定できません。外壁の金具や室内の光ローゼットを固定するビス穴が別に発生する場合があります。
賃貸でも工事担当者の判断で開けられる?利用者だけで承諾できないため、所有者・管理会社へ工事内容を説明し、必要な許可を事前に得ます。

工事担当者が家の中で確認する範囲や光コンセントの設置場所は、関連記事「光回線工事はどこまで家の中に入る?」で詳しく解説しています。

「壁の穴」は3種類に分けて確認する

回線事業者へ「穴あけはありますか」とだけ質問すると、貫通穴はないもののビス留めはある、という認識違いが起こります。

少なくとも、光回線工事で生じる可能性がある穴は次の3種類に分けてください。

穴の種類主な目的公式案内にある大きさの例発生しやすい場面
外壁から室内への貫通穴光ファイバーを室内へ通す約10mm既存配管、エアコンダクト、ほかの引き込み口を利用できない場合
外壁のビス穴引留金具、固定金物、光キャビネットを設置するNURO 光の例では3~4mm程度を複数箇所戸建てへの新規引き込み、独自回線の設備設置、外壁への露出配線
室内壁のビス穴光ローゼットなどを固定するNURO 光の例では3~4mm程度を2箇所エアコンダクトや新規穴から引き込み、分離型の光コンセントを設置する場合

穴の直径や数、固定方法は回線と建物によって異なります。たとえばauひかり ホーム1ギガは、外壁へ引留め用金具や固定金物を取り付ける際に穴あけが必要になると案内しています。NURO 光は、光キャビネットを3箇所のビスで固定する例を示す一方、条件によって建築用両面テープで固定する方法も案内しています。

したがって、契約前には「貫通穴」「外壁のビス留め」「室内のビス留め」を分けて確認する必要があります。

建物・契約別に見る穴あけリスクの目安

最も穴あけを回避しやすいのは、室内まで利用可能な回線が来ており、既存の光コンセントと光ファイバーを再利用できるケースです。

次の表は公表された施工率ではなく、設備の追加範囲に基づく判定の目安です。「低い」場合でも、申し込み後の設備確認や現地判断で工事内容が変わる可能性があります。

建物・申し込み状況貫通穴のリスクビス穴のリスク確認すること
既設の光コンセントと同じ設備を再利用し、無派遣工事になる低い低い既設回線の再利用可否、派遣工事の有無
導入済みのマンションタイプを契約する比較的低い低い~中程度共用部から住戸までの配管、室内の光コンセント
戸建てへ新規でNTT系回線を引き込む低い~中程度中程度電話用配管、エアコンダクト、外壁の引留金具
戸建てへauひかり・NURO 光などを新規導入する引き込み経路による中程度~高い光キャビネット、引留金具、外壁上の固定金物
集合住宅の部屋へ戸建てタイプを個別に引き込む中程度~高い中程度~高い外壁利用、階数、電柱との位置、管理会社の許可
電話用配管もエアコンダクトも利用できない高い高い別経路、新設配管、工事中止を含む代替案

マンションの壁にある端子だけでは配線方式を断定できません。「自分のマンションが光配線方式か調べる5つの方法」を参考に、端子、接続機器、契約情報を照合してください。

光回線を室内へ引き込む経路の優先順位

一般的には、既存の電話線用配管、エアコンダクト、新規穴あけの順で、建物に与える影響が小さい経路から検討されます。

優先順位引き込み経路利用できない主な理由
1電話線用・通信用の既存配管空きがない、途中で詰まっている、曲がりが多い、潰れている、目的の部屋までつながっていない
2エアコンダクト隙間がない、配線経路が危険、ONUを置きたい部屋から離れている、施工条件に合わない
3通気口など既存の開口部事業者が対応していない、防水・安全・曲げ半径を確保できない
4外壁への新規貫通穴所有者の許可がない、壁材や構造上施工できない、安全を確保できない

実際の優先順位と利用可能な開口部は回線事業者によって異なります。利用者が換気口やサッシの隙間へ自分で光ファイバーを通すのではなく、工事担当者に安全性と防水性を確認してもらってください。

穴あけの可能性を申し込み前に下げる7つの手順

「穴を開けないでください」と当日に伝えるだけでなく、既存設備の確認、回線選び、書面での許可を工事日前までに済ませることが重要です。

手順行うこと確認するポイント
1室内の端子を撮影する「光」または「光コンセントSC」の表示、電話端子、LAN端子を確認する
2現在・過去の回線設備を調べる建物に導入済みの事業者、マンションタイプ、配線方式を管理会社と回線事業者へ聞く
3部屋番号まで伝えて設備照会を依頼する光コンセントを再利用できるか、派遣工事か、戸建てタイプ扱いかを確認する
4ONUの設置候補を複数用意する電話端子またはエアコンの近くに置けるか、電源とLAN配線を確保できるかを確認する
5穴の種類ごとに質問する貫通穴、外壁のビス、室内のビス、光キャビネット、露出配線の有無を分けて聞く
6賃貸・集合住宅では条件付きで許可を取る既存配管を優先し、予定外の穴あけが必要なら工事を止める条件を記録に残す
7工事当日に施工前確認をする位置、直径、個数、固定方法、防水、追加費用、撤去方法を確認してから承諾する

問い合わせ窓口の回答は、現地の配管状態まで保証するものではありません。確認日、担当窓口、回答内容を保存し、工事担当者にも「許可されていない穴あけやビス留めが必要なら、作業前に止めてください」と伝えましょう。

賃貸では「光回線工事の許可」ではなく作業ごとに許可を取る

賃貸住宅では、貫通穴だけでなく、外壁へのビス留め、共用配管の使用、光キャビネットの設置、露出配線も管理会社・所有者へ確認してください。

「光回線を契約してよいですか」とだけ聞くと、管理会社と入居者が想定する工事範囲がずれる可能性があります。次のように、既存設備を優先する条件と、予定外の作業が生じた場合の対応を伝えると確認しやすくなります。

光回線の導入を検討しています。既存の共用設備と電話線用配管を優先して利用し、新しい貫通穴や外壁へのビス留めは行わない条件で工事を希望しています。現地確認で別の作業が必要と判明した場合は、その場では施工せず、場所・穴の大きさ・個数・原状回復方法が分かる資料を提出して、改めて確認します。

建物によっては、穴あけがなくてもMDF室への立ち入りや共用配管の利用に申請が必要です。具体的なメール・電話の例文は「大家・管理会社に光回線工事を許可してもらう伝え方」で確認できます。

穴あけが必要と言われたときの代替案

穴あけを断る場合は、その場で無理に別の経路を選ばず、工事を一度止めて回線事業者と管理会社へ再確認してください。

代替案具体的な対応確認点・注意点
ONUの設置場所を変える電話端子やエアコンダクトに近い部屋へ設置場所を変更します。既存の引き込み経路を利用できれば、壁への貫通穴を避けられる場合があります。
建物に導入済みの回線へ変更する共用設備と住戸までの配線を利用できるマンションタイプを探します。建物への導入状況だけでなく、住戸までの配線と設備の空きも確認します。
別の回線事業者へ設備照会を依頼するNTT系、独自回線、電力系、ケーブルテレビなど、異なる設備を使う回線を調べます。別回線へ変更しても、必ず穴あけ不要になるとは限りません。
所有者側で通信用配管を用意する戸建てでは、電気工事業者へ空配管と呼び線の施工を相談します。施工前に回線事業者へ必要な配管径、経路、引き込み位置などの条件を確認します。
工事不要の通信手段を使うホームルーターやモバイルルーターを検討します。契約前に室内電波、夜間速度、Ping、上り速度、通信制御を確認してください。

    配管の詰まりや管理会社の不許可など、開通できない原因別の対処法は「光回線が引けない・工事できない理由」で解説しています。

    穴あけ工事で確認せずに了承してはいけない項目

    穴あけが必要でも、位置と施工方法に納得できなければ、その場で承諾する必要はありません。

    • 外壁から室内へ貫通させるのか、固定用のビスだけなのか
    • 穴を開ける正確な位置、直径、深さ、個数
    • 外壁材、断熱材、防水層、配線・配管への影響
    • 雨水の侵入を防ぐ処理と使用材料
    • ケーブルや光キャビネットが外からどう見えるか
    • 光コンセントとONUをどこへ設置するか
    • 標準工事費に含まれるか、追加料金がかかるか
    • 解約・退去時に撤去できるか、誰が費用を負担するか
    • 管理会社・所有者の許可範囲に収まっているか

    工事前後は、穴の位置だけでなく外壁全体、引き込み金具、室内の光コンセントを撮影しておくと、退去時に施工範囲を確認しやすくなります。

    新築なら穴あけの確率を設計段階から下げられる

    新築では、外壁の引き込み口からONU設置場所まで連続した空配管と呼び線を用意することが、不要な穴あけを避ける最も確実な準備です。

    ただし、配管があれば必ず通線できるわけではありません。配管が細い、曲がりが多い、途中で分岐している、呼び線がないと、完成後に光ファイバーを通せないことがあります。

    引き込み位置、必要な配管径、曲げ方、情報分電盤の大きさ、電源、10GbE対応LAN配線まで含めた準備は「新築で10ギガ光回線を使うために準備すること」を確認してください。

    光回線工事の穴あけでよくある質問

    穴あけの最終判断は建物と現地状況で変わるため、電話窓口の回答だけで「絶対に穴は開かない」と判断しないでください。

    光コンセントがあれば穴あけはありませんか?

    既設の光コンセントと回線を再利用できれば穴あけの可能性は低くなりますが、光コンセントがあるだけでは工事不要と確定しません。

    申し込む回線と既設設備が異なる、設備情報を確認できない、光ファイバーが断線している、10ギガへの変更で別設備が必要といった場合は、訪問工事になる可能性があります。

    工事担当者が承諾なしに壁へ穴を開けることはありますか?

    NTT系設備を使うSoftBank 光は、利用者の承諾なしに穴を開けることはないと明記しています。

    ただし、賃貸の入居者がその場で了承しても、建物所有者の許可を得たことにはなりません。工事前に許可範囲を確認し、当日は作業開始前に工法を説明してもらってください。

    穴の大きさはどのくらいですか?

    光ファイバーを通す貫通穴は約10mm、固定用のビス穴は3~4mm程度と案内されている例があります。

    これはNTT東西、auひかり、NURO 光の公式案内にある例であり、すべての建物と工法に共通する保証値ではありません。実際の直径と個数は施工前に確認してください。

    解約時に穴を埋めてもらえますか?

    撤去・補修の範囲と費用は回線事業者、契約、建物所有者の条件で異なるため、工事前に書面で確認する必要があります。

    光ファイバーや光コンセントを次の入居者が使えるよう残置を求められる場合もあれば、管理会社から撤去や原状回復を求められる場合もあります。「解約できること」と「無料で元どおりになること」は分けて考えてください。

    穴あけを拒否したらキャンセル料はかかりますか?

    工事不可・工法不承諾時の契約や費用の扱いは事業者と申込窓口によって異なるため、申し込み前に確認してください。

    少なくとも、工事当日に慌てて判断しないよう、工事中止時の初期費用、キャンペーン、レンタル機器の返却方法を記録しておきましょう。

    まとめ

    光回線工事で約10mmの貫通穴を開ける確率は高いとはいえませんが、既存経路を使えない場合や外壁設備を新設する場合は、貫通穴またはビス穴が必要になります。

    • 回線事業者による全国一律の穴あけ率は公表されていない
    • 通常は電話線用配管やエアコンダクトを優先する
    • 貫通穴を回避しても、外壁・室内の固定用ビス穴が生じる場合がある
    • 既設の光回線を再利用できるケースは穴あけリスクが低い
    • 戸建てへの新規引き込みや集合住宅への個別引き込みは、外壁作業を詳しく確認する
    • 賃貸では穴あけだけでなく、ビス留め、共用部作業、露出配線も許可を取る
    • 予定外の工事が必要になったら、一度中止して管理会社へ再確認する

    「壁に穴を開けるか」だけで契約を判断せず、どの設備を使い、どこを通り、何を固定する工事なのかを確認してください。穴の種類と施工範囲を分けて聞けば、工事当日の認識違いを減らせます。

    参考にした公式情報

    工事方法は変更される可能性があるため、申し込み時には利用する回線事業者の最新情報も確認してください。