10Gbps回線を選ぶ

新築で10ギガ光回線を使うために準備すること|配管・LAN配線・機器置き場の設計方法

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最終更新日:2026年9月10日

新築住宅で10ギガ光回線を使うなら、回線事業者へ申し込むだけでは足りません。

新築時に優先したいのは、高価なWi-Fiルーターではありません。完成後に変更しにくい光回線用配管・Cat6A宅内配線・機器置き場です。

ONUやルーターは後から交換できます。一方、壁の中にある配管やLANケーブルは簡単に交換できません。交換するには、壁や天井を開ける工事が必要になる場合があります。

この記事では、新築で10ギガ光回線を使うために必要な準備を解説します。設計段階から引き渡し後まで、何をすればよいのか順番に見ていきます。ハウスメーカーや電気工事業者へそのまま伝えられる依頼内容や、部屋ごとのLANポート数、完成時の確認方法もまとめました。

新築の10ギガ対応で優先するべき4つの準備

新築時は「光ファイバーの入口」「Cat6A宅内配線」「通信機器の設置場所」「Wi-Fiアクセスポイントの配置」の4点を先に決めておきます。

準備する項目主な内容後から変更する難しさ
光ファイバーの引き込み経路外壁の引き込み口から光コンセントまでの配管難しい
宅内LAN配線Cat6Aケーブル、Cat6A情報コンセント、スター配線難しい
通信機器の設置場所ONU、ルーター、スイッチ、電源、放熱、保守スペースやや難しい
Wi-Fiの配置各階のアクセスポイント用LAN配線と電源配線がなければ難しい
ルーター・スイッチ10GbE・2.5GbEポート数、Wi-Fi規格簡単
LANカード・アダプターパソコンを2.5GbE・10GbEへ対応させる比較的簡単

予算が限られていても、壁内配線と空配管は新築時に準備しておくのがおすすめです。入居直後は1ギガ回線や1GbE機器を使っても構いません。必要になってから10ギガ対応機器へ交換できます。

各部屋へLAN配線するなら、「LAN端子を付けるか」だけではなく、「1部屋に何口必要か」まで決めておきましょう。設計段階で決めておくと、入居後に困りにくくなります。部屋別の目安は「新築の各部屋にLANポートはいくつ必要?」で解説しています。

最初に10ギガ光回線の提供可否を確認する

市区町村が10ギガの提供エリアでも、建築予定地で使えるとは限りません。できるだけ番地単位で確認してください。

フレッツ光クロス、光コラボの10ギガプラン、auひかり、NURO 光、電力系光回線などは、それぞれ提供エリアが違います。同じ市内でも、電柱や回線設備の状況によって申し込めない場所があります。

土地を購入する前や、建築設計を始める段階で、次の内容を確認しておきます。

  • 建築予定地で10ギガプランを利用できるか
  • 利用候補となる回線事業者が何社あるか
  • 近くの電柱から光ファイバーを引き込めそうか
  • 電柱側から建物までの間に道路や他人の土地がないか
  • 地中化地域ではどこから通信線を引き込むか
  • 新住所で申し込みできる時期

住所検索で判定できない新築物件は、住所が事業者のデータベースにまだ登録されていない可能性があります。その場合は、建築地の地番や住居表示、建物名、建築会社の連絡先などを用意します。そのうえで、回線事業者へ相談してください。

10ギガ回線は、常に最大通信速度が出ることを保証するサービスではありません。宅内配線を10Gbps対応にしても、実際の速度はさまざまな条件で変わります。回線の混雑、接続先サーバー、ルーター、端末性能などが影響します。

10ギガが必要な家庭か迷っている場合は、先に10ギガ光回線を契約しても意味がない家庭の特徴も確認してください。

光ファイバーの引き込み経路を設計する

外壁の引き込み口から光コンセントまで、光ファイバーを通せる連続した配管を用意します。

光ファイバーの引き込み口を決める

引き込み口は、電柱や地中配管から通信線を取り込みやすい場所が理想です。また、外壁に露出する配線を短くできる場所を選びます。

一般的な戸建てでは、近くの電柱から光ファイバーを建物へ引き込みます。その後、電話用配管などを通し、室内の光コンセントまで配線します。

既存の配管を使えない場合は、別の方法が必要です。エアコンダクトを使ったり、外壁にケーブルを固定したり、新しく穴を開けたりすることがあります。新築時に専用配管を用意しておけば、外壁に不要な穴を開ける可能性を減らせます。

ただし、実際の引き込み位置や工事方法は、回線事業者の現地確認で変わります。設計図だけで決めないようにしてください。ハウスメーカー、電気工事業者、回線事業者の3者で確認することが大切です。

引き込み口から通信機器置き場まで空配管を通す

光回線用の配管には呼び線を入れます。また、途中で分岐させず、急な曲げや通線しにくい経路も避けます。

配管が細すぎたり、曲がりが多かったりすると、光ファイバーを通せないことがあります。途中で配管が潰れている場合も同じです。必要な配管径や曲げ方は、通すケーブルと工事方法に合わせ、電気工事業者に選んでもらいます。

余裕があれば、予備の空配管も用意しておくと安心です。将来、別の光回線を追加したり、故障したケーブルを交換したりしやすくなります。

光コンセントの位置を機器置き場に合わせる

光コンセントは、ONU・ルーター・スイッチを置く通信機器置き場の近くに設置します。

光コンセントをリビングのテレビ裏だけに設置すると、各部屋へLANケーブルを分けにくくなることがあります。

家全体に有線LANを配るなら、光コンセントとLAN配線の集約場所を近づけると便利です。各部屋からのLAN配線を、すっきりまとめやすくなります。

壁内LAN配線はCat6Aを基本にする

10GBASE-Tで10Gbps接続を安定して使うなら、壁内ケーブルだけでなく、情報コンセントや接続部品もCat6Aにそろえるのが基本です。

NTT東日本も、フレッツ光クロスを最大概ね10Gbpsで利用するための環境を案内しています。必要なのは、10GBASE-T対応LANポートとカテゴリ6A以上のLANケーブルです。

Cat6Aは10GBASE-Tに対応しています。また、1GbE・2.5GbE・5GbE機器も接続できます。入居時に10ギガ対応機器をすべてそろえる必要はありません。壁内配線をCat6Aにしておけば、必要に応じて段階的に高速化できます。

ケーブルだけでなく情報コンセントもCat6Aにする

壁の中がCat6Aでも、壁面ジャックやパッチパネルがCat5e・Cat6なら、配線全体をCat6Aとして評価できません。

見積書に「LAN配線」とだけ書かれていないか確認しましょう。次の部材までチェックします。

  • 壁内LANケーブルのカテゴリー
  • 各部屋の情報モジュラジャックのカテゴリー
  • 通信機器置き場側のジャックまたはパッチパネル
  • ルーターと壁面端子をつなぐ短いLANケーブル
  • ケーブルの導体、施工方法、対応規格

Cat7やCat8を無条件に選ぶ必要はありません。一般家庭でRJ45端子を使って10GBASE-Tを構築するなら、規格に合ったCat6A配線が現実的です。上位カテゴリーを選んでも、端子処理やシールドの扱いが適切でなければ、本来の性能を発揮できません。

各部屋へスター配線する

宅内LANは、通信機器置き場を中心にして、各部屋へ1本ずつ直接つなぐスター配線にします。

LAN配線は、電話線のように途中で分岐できません。各部屋のLAN端子から、独立したケーブルを通信機器置き場まで配線します。

たとえば、書斎に2ポート、リビングに4ポート設置するとします。この場合、原則として合計6本のLANケーブルが通信機器置き場へ集まります。

重要な場所にはLANポートを2口以上用意する

書斎、テレビ周辺、Wi-Fiアクセスポイントの設置場所は、将来の機器追加を考えてLANポートや空配管に余裕を持たせます。

1本のLAN配線を、部屋側のスイッチングハブで分ける方法もあります。ただし、コンセントや機器、配線が増えます。故障したときに原因を調べる作業も複雑になります。新築時点で使う機器が決まっている場所は、最初から必要な本数を配線したほうがすっきりします。

特に書斎では、パソコン、NAS、プリンター、仕事用端末などをつなぐ可能性があります。テレビ周辺でも、テレビ、ゲーム機、録画機、ストリーミング端末を有線接続できます。

配線を交換できる空配管も検討する

将来の変更に備えたい場所には、Cat6Aケーブルだけでなく、交換用の空配管と呼び線も用意します。

現在はCat6Aで十分でも、将来は別のケーブルを使いたくなる可能性があります。たとえば、宅内光ファイバーや別規格のケーブルです。配管があれば、壁を開けずにケーブルを交換しやすくなります。

ただし、すべての部屋に空配管を設けると費用が増えます。書斎やリビング、各階のWi-Fiアクセスポイント予定地など、優先度の高い場所だけに絞る方法もあります。

配線試験の内容を引き渡し前に決める

インターネットの速度測定だけでは、壁内配線の品質までは分かりません。配線そのものの検査結果も確認します。

最低限、導通、結線順序、ケーブル両端の識別、実際のリンク速度を確認してください。Cat6Aとしての性能保証を重視するなら、対応する測定器で試験できるか施工業者へ相談します。

Speedtestの結果は、回線の混雑や測定先サーバーの状態でも変わります。そのため、壁内LANの施工確認だけには向いていません。正常な10GbE機器を両端へ接続してリンクを確認したり、家庭内LANだけで転送試験をしたりする方法が適しています。

ONU・ルーター・スイッチの設置場所を確保する

通信機器置き場には、機器を置ける広さだけでなく、電源や放熱、配線、交換作業のための余裕も必要です。

一般的な構成は次のようになります。

光ファイバー → 光コンセント → ONU・ホームゲートウェイ → 10ギガ対応ルーター → スイッチングハブ → 各部屋

回線事業者によっては、ONUとルーター機能が一体になった機器が提供されます。契約する回線が決まっているなら、提供される機器の台数と寸法も確認してください。

電源コンセントを多めに用意する

通信機器置き場には、ONU、ルーター、スイッチ、電話機器、NASなどを想定し、電源コンセントを複数用意します。

電源タップだけに頼ると、ACアダプター同士がぶつかったり、配線がごちゃついたりします。停電対策をするなら、小型UPSを置けるスペースも検討します。

ただし、ONUやルーターをすべてUPSにつないでも安心とは限りません。回線事業者側の設備やひかり電話が、停電時に必ず使えるとは限らないためです。

分電盤の中へ無理に収納しない

金属製ボックスや密閉された狭い収納は、Wi-Fiの電波と10ギガ対応機器の放熱の両方に不利です。

10GbE対応ルーターやスイッチは発熱しやすい機器です。吸気口や排気口をふさがないよう、周囲に空間を確保します。また、点検や交換のときに手が届き、LEDやケーブルを確認できる場所を選んでください。

情報分電盤にはONUやスイッチを収納し、Wi-Fiアクセスポイントだけを居室側へ分ける方法も有効です。

機器の熱対策については、10GbEは発熱しやすい?LANカードとルーターの熱対策で詳しく解説しています。

10ギガ対応ルーターのLAN側ポートを確認する

「10ギガ対応ルーター」でも、10Gbps対応がWAN側だけの場合があります。その場合、パソコン1台の速度はLAN側ポートの上限までしか出ません。

購入・レンタルする前に、次の項目を確認しておきます。

  • WANポートが10Gbpsに対応しているか
  • LAN側に10Gbpsポートがあるか
  • 10GbpsポートをWAN・LANで同時に使えるか
  • 2.5Gbps対応LANポートが何個あるか
  • 契約回線のIPv4 over IPv6方式に対応しているか
  • ルーターモードとアクセスポイントモードを選べるか

選び方は10ギガ対応ルーターの選び方でも解説しています。

10GbEスイッチは必要な場合だけ導入する

10GbE対応パソコンが1台だけなら、ルーターの10Gbps LANポートへ直接つなげます。そのため、10GbEスイッチが不要な場合もあります。

10GbEスイッチが必要になるのは、10GbE対応機器を複数つなぐ場合です。たとえば、パソコン、NAS、サーバー、Wi-Fiアクセスポイントなどがあります。

設計時に優先したいのは、スイッチを買うかどうかではありません。各部屋のLANケーブルを通信機器置き場へまとめられる構成にすることです。

必要性の判断は10ギガ対応スイッチングハブは必要?を参考にしてください。

Wi-Fiルーターを収納内に閉じ込めない

新築のWi-Fi設計では、有線LANをまとめる場所と、Wi-Fiの電波を飛ばす場所を分けて考えます。

配線をまとめるため、ONUとルーターを玄関収納や情報分電盤へ入れたくなることがあります。しかし、家の端や床付近、金属製ボックスの中は、Wi-Fiの設置場所には向いていません。

各階にアクセスポイント用LAN配線を用意する

2階建て以上の住宅や広い住宅では、各階に有線接続できるWi-Fiアクセスポイントを置けるようにすると、通信が安定しやすくなります。

アクセスポイントは、家の中心に近い場所が向いています。また、家具や金属製収納に囲まれにくい場所を選びます。高い位置に設置するなら、LAN端子や電源だけでなく、点検方法や機器の固定方法も考えておきます。

PoE対応アクセスポイントなら、LANケーブルから電源を供給できます。その場合は、対応するLAN配線とPoEスイッチを選びます。ただし、PoE規格、必要電力、ケーブル、放熱条件の確認が必要です。

メッシュWi-Fiは有線バックホールを使えるようにする

メッシュWi-Fiを使う場合でも、親機と子機を壁内LANで接続できる設計がおすすめです。無線中継による速度低下を避けやすくなります。

無線バックホールは、配線なしで導入しやすい点がメリットです。一方で、壁や床、距離、周辺の電波状況に影響されます。新築なら、各階のメッシュ機器予定地までLAN配線を用意しましょう。有線バックホールも選べるため、状況に合わせやすくなります。

Wi-Fi 7だけで10Gbps出るとは考えない

Wi-Fi 7対応ルーターを設置しても、スマートフォンやパソコンで、そのまま10Gbps出るわけではありません。

Wi-Fiの速度は、さまざまな条件で変わります。端末側の対応規格、アンテナ数、チャネル幅、周波数帯、距離、壁の材質、電波干渉などが影響します。

デスクトップパソコン、NAS、ゲーム機、テレビなど、基本的に動かさない機器は有線LANが向いています。スマートフォンやタブレットはWi-Fiに分けると、通信を安定させやすくなります。

無線設計については10ギガ回線なのにWi-Fiが遅い原因も参考にしてください。

部屋ごとのLANポート配置例

すべての部屋に10GbE機器をそろえる必要はありません。固定機器が多い場所やアクセスポイント予定地は、LANポート数に余裕を持たせます。

場所LANポート数の目安想定する機器設計上のポイント
通信機器置き場各部屋の配線本数分ONU、ルーター、スイッチ、NAS電源、放熱、保守スペースを確保する
書斎・仕事部屋2~4ポートPC、NAS、プリンター、業務端末10GbEを優先する場所。空配管も検討する
リビングのテレビ周辺2~4ポートテレビ、ゲーム機、録画機、配信端末テレビボードで端子が隠れない位置にする
各階の中央付近1~2ポートWi-Fiアクセスポイント電源またはPoE、点検性、高さを確認する
子ども部屋1~2ポートPC、ゲーム機机や家具の配置変更を想定する
寝室1ポートテレビ、PC、アクセスポイントベッドや収納で隠れない位置にする
防犯カメラ予定地必要箇所に1ポートPoE対応カメラ屋外対応部材と施工方法を確認する

必要なポート数は、住宅の広さや機器数で変わります。現在使う機器だけで決めないことが大切です。将来、机、テレビ、ベッド、収納をどこに置くかも考えて決めてください。

新築工事の進行に合わせて準備する

10ギガ対応の準備は、建物が完成してからでは遅くなります。電気配線図を確定する前から始める必要があります。

時期実施すること確認する資料
土地・間取りの検討時10ギガ提供エリア、電柱、引き込み方向を確認する提供エリア検索、敷地図
電気配線の打ち合わせ前光コンセント、機器置き場、LAN端子、アクセスポイント位置を決める平面図、家具配置図
電気配線図の確定時Cat6A、スター配線、空配管、呼び線、電源口数を指定する電気配線図、見積書、部材表
壁・天井を閉じる前配管経路、LANケーブル本数、曲げ、ラベルを確認する施工写真、現場確認記録
内装完成後情報コンセント、結線、配線番号、導通を確認する配線試験結果
住所確定後回線事業者へ申し込み、住所登録と工事日を調整する建築住所、地番、入居予定日
引き渡し時各ポートのリンク速度と接続先を確認する配線一覧、測定結果
開通後有線とWi-Fiを分けて速度・安定性を測る測定記録

光回線が開通するまでの期間は、回線事業者や地域、設備状況、繁忙期によって変わります。入居直前まで待たないほうが安心です。住所が確定し、申し込めるようになったら回線事業者へ相談してください。

開通まで時間がかかりそうなら、ホームルーターやモバイルWi-Fiなどを一時的な回線として使う方法もあります。

壁内LANケーブルは、完成してからでは交換しにくい部分です。10GbEを使う予定なら、配線工事の段階で規格を決めておきます。Cat6とCat6Aの違いは「10ギガ回線はCat6で使える?」で詳しく比較しています。

ハウスメーカーへ渡す依頼内容

「10ギガ対応にしてください」と伝えるだけでは、使う部材や工事範囲まで正確に伝わりません。ケーブル、端子、配線方式、試験方法を具体的に指定します。

次の内容を電気配線の担当者へ渡しておくと、お互いの認識がずれにくくなります。

外壁の通信線引き込み口から通信機器置き場まで、光ファイバーを通せる配管と呼び線を設置してください。

通信機器置き場から指定した各部屋まで、Cat6AのLANケーブルをスター配線してください。壁内ケーブル、室内側の情報モジュラジャック、集約側の端子をCat6A対応部材で統一してください。

ケーブル途中の分岐や中継は避けてください。また、両端に部屋名または配線番号を表示してください。電源線との離隔や配管経路は、施工基準に従って設計してください。

通信機器置き場には、ONU、ルーター、スイッチを設置できるスペースを確保してください。複数の電源口と、配線作業や放熱に必要な余裕も確保してください。

施工後は各配線の導通、結線、接続先を確認してください。可能であれば、Cat6A配線の試験結果も提出してください。壁と天井を閉じる前の配線写真も残してください。

Cat6A配線や性能試験にどこまで対応できるかは、施工会社によって違います。対応できない場合は、LAN配線を専門とする業者へ依頼する方法もあります。

ハウスメーカーへ依頼するときは、ケーブル規格だけでなく、各部屋のLANポート数も指定しておきましょう。完成後に追加工事が必要になる可能性を減らせます。「新築の各部屋にLANポートはいくつ必要?」では、リビング・書斎・寝室など部屋別に考えています。

予算をかける優先順位

新築では、後から交換しにくい設備へ優先して予算を使います。ルーターなど簡単に交換できる機器は、後回しにできます。

優先順位設備理由
最優先光回線用配管、空配管、呼び線完成後の追加工事が難しい
最優先Cat6A壁内配線とCat6A端子壁や天井を開けずに交換しにくい
高い機器置き場、電源、放熱スペース収納や間取り完成後は変更しにくい
高い各階のアクセスポイント用LAN配線Wi-Fiの速度と安定性へ影響する
中程度10GbEスイッチ必要になってから追加できる
中程度Wi-Fi 7ルーター数年後でも交換できる
用途次第10GbE LANカード・アダプター10Gbpsを必要とする端末だけ導入できる

10ギガ環境全体の費用は、10ギガ光回線の料金は高い?必要機器を含めた総額で確認できます。

新築の10ギガ対応でよくある失敗

よくある失敗は、10ギガ回線を契約すれば、家中の端末がすべて10Gbpsで通信できると思ってしまうことです。

失敗例起こる問題対策
壁内配線がCat5eのまま将来の10GbE化で配線交換が必要になる新築時にCat6Aを指定する
ケーブルだけCat6A壁面端子や集約側端子がボトルネックになる配線部材全体をCat6Aで統一する
光コンセントとLAN集約場所が離れている室内に長いケーブルが露出するONUとLAN集約点を近づける
ルーターを金属製ボックスに収納するWi-Fiが弱くなり、熱がこもるWi-Fiアクセスポイントを居室側へ分離する
10ギガ対応がWANポートだけ端末側が1Gbpsで止まるLAN側の10Gbps・2.5Gbpsポートを確認する
すべて無線で接続する壁、床、距離、干渉の影響を受ける固定機器とアクセスポイントを有線接続する
配線ラベルがないどの端子がどの部屋につながるか分からない両端に部屋名と番号を付ける
Speedtestだけで施工品質を判断する回線混雑と宅内配線を切り分けられないリンク速度と家庭内LANを別に測る
入居直前に回線を申し込む開通が入居日に間に合わない住所確定後、早めに事業者へ相談する

引き渡し時に確認するチェックリスト

壁が完成してから施工ミスに気付いても、簡単には直せません。配線図・施工写真・試験結果は、引き渡し前に確認します。

番号確認項目確認内容
1光回線用配管外壁の引き込み口から光コンセント予定地まで、配管がつながっているか確認する
2呼び線配管内へ光ファイバーを通すための呼び線が入っているか確認する
3ケーブルと端子の規格壁内ケーブル、室内側端子、集約側端子がCat6A対応か確認する
4配線本数図面どおりの本数が各部屋へ配線されているか確認する
5配線番号通信機器置き場と各部屋の配線番号が一致しているか照合する
6導通と結線8芯が正しく結線され、断線や配線の入れ替わりがないか確認する
710Gbpsリンク対応機器がある場合は、重要な区間が10Gbpsでリンクするか確認する
8電源口数ONU、ルーター、スイッチなどを同時に接続できる数があるか確認する
9放熱スペース扉を閉じても吸排気を妨げず、機器を交換できるスペースがあるか確認する
10Wi-Fi設置場所各階のアクセスポイント用LAN端子と電源が使用できるか確認する
11施工写真壁内配管とLANケーブルの経路が分かる施工写真を受け取って保存する
12配線図完成後の配線図を受け取り、住宅設備の説明書と一緒に保管する

開通後に1Gbps付近で止まる場合は、10ギガ回線で1Gbpsしか出ないのは遅い?正常?を参考にしてください。リンク速度と接続経路を確認できます。

新築の10ギガ光回線に関するよくある質問

新築時点ですべての機器を10GbE対応にする必要はありません。ただし、壁内配線と配管は、将来の変更を考えて準備しておく価値があります。

Cat6ではなくCat6Aにする必要がありますか?

新築で10ギガを使う前提なら、Cat6Aを指定するのが分かりやすく、確実です。

Cat6でも、施工距離や周辺環境によっては10Gbpsでリンクする可能性があります。ただし、NTT東日本は最大概ね10Gbpsで利用するLAN環境としてCat6A以上を案内しています。

完成後に交換する手間や費用を考えると、新しく壁内配線を設置する段階でCat6Aを選ぶほうが現実的です。

全部屋に10ギガ対応LANポートが必要ですか?

すべての部屋に10GbE機器を置く必要はありません。ただし、壁内配線と情報コンセントをCat6Aにそろえておけば、将来の用途変更に対応しやすくなります。

10GbE接続を優先したいのは、書斎のメインPC、NAS、高速ストレージ、クリエイティブ作業用PCなどです。一方、テレビや一般的なゲーム機は、1GbE接続でも十分な場合があります。

10ギガ回線ならWi-Fi 7ルーターが必須ですか?

Wi-Fi 7は必須ではありません。使う端末や住宅の広さ、必要な速度に合ったルーターを選べば十分です。

用途によっては、Wi-Fi 6・6Eでも十分です。確認したいのはWi-Fi規格だけではありません。LAN側ポートの速度、アクセスポイントの配置、有線バックホール、端末側の対応状況も確認します。

ONUとWi-Fiルーターは同じ場所に置く必要がありますか?

ONUとルーターを近くに置くと配線は簡単です。ただし、Wi-Fiアクセスポイントまで同じ場所に置く必要はありません。

ONUと有線ルーターを通信機器置き場へまとめ、各階のアクセスポイントを壁内LANでつなぐ方法があります。この構成なら、有線配線を一カ所にまとめられます。Wi-Fiアクセスポイントは、電波が届きやすい場所に置けます。

パソコンも10GbE対応にする必要がありますか?

1台で1Gbpsを超える速度が必要なパソコンだけ、2.5GbEまたは10GbEに対応させれば十分です。

デスクトップPCなら、PCIe接続の10GbE LANカードを増設できます。ノートPCも、USB4・Thunderbolt対応アダプターなどで増設できる場合があります。

必要な費用と方法は10GbE対応PCを作るにはいくらかかる?で解説しています。

回線事業者を決める前でも配線できますか?

特定の事業者の機器に左右されない配管と、Cat6Aのスター配線を用意しておけば、回線事業者を後から選びやすくなります。

ただし、光ファイバーの引き込み方法や光コンセント、ONUなどの構成は事業者によって違います。電話やテレビサービスの構成も同じではありません。契約候補が決まったら、引き込み条件を確認してください。

まとめ

新築で10ギガ光回線を使うなら、後から交換しにくい配管・壁内LAN・機器置き場へ優先して予算を使うのが基本です。

新築時に準備する主な項目は次のとおりです。

  • 建築予定地で10ギガ回線を利用できるか番地単位で確認する
  • 外壁から通信機器置き場まで光回線用配管と呼び線を通す
  • 壁内ケーブルと情報コンセントをCat6Aで統一する
  • 通信機器置き場から各部屋へスター配線する
  • 書斎、リビング、各階のWi-Fi設置場所へ十分なLAN端子を用意する
  • ONU、ルーター、スイッチ用の電源と放熱スペースを確保する
  • Wi-Fiアクセスポイントを収納内ではなく家の中央付近へ配置する
  • 壁を閉じる前の施工写真と完成後の配線試験結果を残す
  • 住所確定後、入居日に間に合うよう早めに回線を申し込む

10ギガ回線の実効速度は、いちばん遅い部分に左右されます。対象になるのは、回線、ONU、ルーター、スイッチ、LANケーブル、端末、接続先です。

入居時から、すべての機器を10GbE対応にする必要はありません。新築時にはCat6A配線と交換しやすい配管を用意しておきます。その後、必要になった機器から高速化すれば、費用を抑えながら将来にも備えられます。

宅内配管やCat6A配線を整えても、その住所で10ギガ回線を契約できなければ利用できません。住宅設備を設計するときに、「10ギガ光回線おすすめ8社を比較」も確認しておきましょう。新居の地域に対応する回線と月額料金を確認できます。

関連ページ

10ギガ回線の機器選びや、開通後の速度確認については、以下の記事も参考にしてください。