光回線を「多くの人が使っている」ものを勧めるおかしさ
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最終更新日:2022年1月14日
目次
光回線は多くの人が使ったら混雑します。
光回線は一本の回線を一つの地域に分岐させて敷いています。ですが光回線の場合は分岐させても回線の質が低下しにくいですし高速なのでパケ詰まりのようなことも起きにくいです。
ただし、1つのエリアから分岐させているので大量の通信を使う人がいるとその地域に住んでいる他の利用者の方にも影響が出ます。
多くの人が使えば使うほど速度低下は起こりやすいので「多くの人が使っている光回線がおすすめ」ということは言えません。
もし多くの人が使っているものがいいならフレッツ光が一番いいということになる
光回線にはNTTが回線を敷設した「フレッツ光」があります。そしてフレッツ光の回線を使った光回線が大量にあります。
例えばOCN光、ビッグローブ光、So-net光プラス、@nifty光などはフレッツ光用の回線を使った「光コラボ」です。
フレッツ光用の回線を使った光回線プロバイダのことを「光コラボ」と言いますが、光コラボという言葉を使っていないプロバイダも多いです。
フレッツ光と光コラボをあわせたマーケットシェアは64.4%となっています。(出典:https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=492 より)
ですが様々な回線の利用者がレビューをしている価格コムの人気ランキングを見るとフレッツ光は全然見当たりません。光コラボの光回線もプロバイダによっては人気ランキング上位のものもありますが全体的には人気が低いです。
もし多くの人が使っている回線がいいならもっと上位になるはずです。
またみんなの回線速度というサイトの「光回線速度ランキング」を見るとフレッツ光のランキングも低いですし、光コラボのランキングも低いです。
通信速度を見ても利用者の満足度を見ても「多くの人(64%)が使っているフレッツ光や光コラボ」はいいとはあまり言えません。
「多くの人が使っているもの」はメリットもある
人にものやサービスを勧めるときに「みんな使っている」という理由を使うのは簡単なので多くの人が使っています。
もちろん実際に「みんなが使っているから」という理由で選ばれている商品やサービスも多いです。例えばYouTube、LINE、iPhone、Instagramなどです。
そしてたいていの場合は多くの人が使えば使うほど便利になったりサービス内容も良くなったりします。
例えばLINEはみんなが使っているので音声通話が無料でできたり、クロネコヤマトの宅急便の再配達をLINEでできたり、LINE Payで税金まで払うこともできます。
iPhoneも多くの人が使っているので他のユーザーに使い方を聞けたり、たくさんのアプリが使用できたりします。
光回線には利用者が多いことのメリットがあまりない
ですが光回線の場合、特にフレッツ光は多くの人が使っていますが、そのせいで回線が混雑して通信速度が下がったり通信が不安定になったりします。
もちろんフレッツ光の利用者が多いことよるメリットもあります。フレッツ光はエリアがとても広いです。基本的にどこに引っ越しても契約できます。
また利用者が多いので回線やサーバーの増強なども混雑状況に応じてできます。もし回線が全く繋がらなくなるような状態になった時はおそらくフレッツ光のほうが復旧速度は速いでしょう。
ですがフレッツ光はまだまだ10Gbpsの回線が利用できるエリアが狭いです。
本当だったら利用者が多いフレッツ光が真っ先に設備を投資してエリアを拡大させるべきだったでしょう。現在10Gbpsが使えるエリアはauひかりやeo光などのほうが広いです。
なので回線増強を渋っているフレッツ光はこれからも速度が多少下がってもほったらかしになれるかもしれないという不安があります。
利用者が多いのに便利ではなく不便になっているフレッツ光はあまりおすすめはできません。
確かに利用者が少なすぎる回線を選ぶのは危険
利用者が少ない光回線もあります。例えば最近はケーブルテレビ会社が運営をする光回線もあります。
ケーブルテレビ会社はケーブルを敷設する工事をするので、光回線の運営にも相性がいいです。
ですがケーブルテレビの場合はエリアがとても狭いものが多いです。
例えば東急電鉄グループが運営する「イッツコム」はもとはケーブルテレビ会社でしたが光回線の運営も始めています。イッツコムのエリアは東急電鉄沿線のみとなっています。
他のケーブルテレビでも大抵の場合は都道府県レベルのエリアは少なく、エリアが「1つの都道府県内のいくつかの市町村のみ」となっているものがほとんどです。
エリアが狭いので利用者も少ないですし、ケーブルテレビを利用する方もそんなに多くないのでとても小規模な会社となっている可能性が高いです。
小規模な会社が運営している回線は突然回線速度が下がることがあります。もし「回線速度が速い」と評判になって利用者が少しでも増えるだけですぐに回線速度が下がってしまいます。
そして小規模な会社なので回線やサーバーの増強もすぐにはできません。
大企業なら契約者や転送量がどれくらい増えていくか予想できますし、回線やサーバーの増強も規模に合わせてできます。
例えて言いますと大規模な会社は浴槽、小規模な会社はバケツというような違いです。急に水が出るスピードが上がったら浴槽の場合はあふれるまでしばらく時間がかかりますが、バケツの場合はすぐに溢れてしまいます。
ですがこれは大企業でも予想を上回る通信量になったらもちろん速度低下は起こりうるので「多くの人が使っているから安心」というわけではありません。
混雑状況の改善は大企業のほうが有利だという話です。
確かにみんそくの「光回線速度ランキング」を見ると最近はケーブルテレビ会社が上位に行くことが多くなりました。ケーブルテレビ会社の光回線には最大速度が10Gbpsのプランが利用できるものもたくさん出てきています。
ですが上記のように安定した速度でインターネットを使うことは難しいので、速度低下リスクを考えるとケーブルテレビ会社の光回線を1番におすすめするというのは少し難しいです。
そしてこの例えで言えば、複数の都道府県にエリアがある電力会社系列の光回線はちょうどいい規模ということも言えるでしょう。
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