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PING値・レイテンシーとは何か?ゲームや配信に与える影響

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最終更新日:2026年7月15日

インターネット回線の性能を判断するとき、多くの人がダウンロード速度やアップロード速度を確認します。しかし、オンラインゲームやライブ配信では通信速度だけでなく「PING値」や「レイテンシー」も重要です。

たとえ1Gbpsや10Gbpsの高速回線を契約していても、PING値が高かったり通信が不安定だったりすると、ゲームで操作が遅れて反映されたり、ライブ配信が途切れたりすることがあります。

本記事ではPING値とレイテンシーの意味や違い、ゲームや配信に与える影響、PING値が高くなる原因、改善方法について詳しく解説します。

PING値とは

blue and white light in dark room

PING値とは自分のパソコンやゲーム機からサーバーへデータを送り、応答が戻ってくるまでにかかった時間を示す数値です。

一般的には「ms(ミリ秒)」という単位で表されます。1msは1,000分の1秒です。

例えば、PING値が20msの場合、通信相手となるサーバーへデータを送り、応答が返ってくるまでに約0.02秒かかっていることになります。

PING値は、基本的に数値が低いほど良好です。

PING値通信状態の目安
0~20ms非常に良好
20~50ms良好
50~100msゲームによっては遅延を感じる
100~150ms操作の遅れを感じやすい
150ms以上オンラインゲームには厳しい

ただし、測定するサーバーの場所や混雑状況によって結果は変わります。速度測定サイトで10msだったとしても、海外にあるゲームサーバーへ接続すると100msを超えることがあります。

レイテンシーとは

レイテンシーとは、データを送信してから相手に届くまでに発生する通信の遅延全般を指します。

PING値とほぼ同じ意味で使われることもありますが、厳密には少し意味が異なります。

PING値は、主にデータを送信して応答が戻ってくるまでの往復時間を測定した数値です。一方レイテンシーは通信で発生する遅延そのものを指す、より広い言葉です。

通信の遅延には、次のような要素が含まれます。

  • 自宅から通信事業者までデータが移動する時間
  • 通信事業者のネットワーク内を通過する時間
  • ゲームサーバーや配信サーバーまで移動する時間
  • ルーターやサーバーがデータを処理する時間
  • 混雑時にデータが順番待ちする時間

つまり、PING値はレイテンシーを確認するための代表的な指標の一つです。

通信速度が速くてもPING値が低いとは限らない

通信速度とPING値は、それぞれ異なる性能を示しています。

通信速度は、一度にどれだけ多くのデータを送受信できるかを表します。一方、PING値は、データの応答が返ってくるまでの速さを表します。

道路に例えると、通信速度は道路の広さ、PING値は目的地までの距離や信号待ちの少なさに相当します。

道路が広くても目的地が遠ければ、到着までに時間がかかります。反対に、道路が狭くても目的地が近ければ、応答はすぐに返ってきます。

そのため、10Gbpsの光回線を利用していても、接続先のサーバーが海外にあればPING値は高くなります。逆に、最大1Gbpsの回線でも、国内の近いサーバーへ安定して接続できれば低いPING値を維持できます。

オンラインゲームでは、大容量データを高速にダウンロードする性能よりも、少量の通信を素早く安定して繰り返せることが重要です。

PING値がオンラインゲームに与える影響

two people playing Sony PS4 game console

オンラインゲームでは、プレイヤーの操作情報がゲームサーバーへ送信され、サーバー側で処理された結果が再びプレイヤーへ返されます。

PING値が高いと、この一連の処理に時間がかかるため、入力と画面上の動きにずれが発生します。

FPS・TPSでは撃ち合いで不利になる

FPSやTPSでは、PING値の差が撃ち合いの結果に影響することがあります。

PING値が高い環境では、画面上で敵を狙って発砲しても、サーバーへ情報が届くまでに敵が移動している可能性があります。また、自分では障害物に隠れたつもりでも、相手側やサーバー側ではまだ姿が見えていることがあります。

FPS・TPSを快適にプレイする場合は可能であれば30ms以下を目指したいところです。50ms程度でも多くのゲームはプレイできますが、競技性の高い場面では遅延を感じる可能性があります。

格闘ゲームでは入力遅延が発生する

格闘ゲームは、攻撃、防御、回避などを短時間で判断する必要があります。

PING値が高いと、ボタンを押してから技が出るまでに遅れが生じたり、相手の攻撃を見てから防御しても間に合わなかったりします。

格闘ゲームでは、PING値だけでなく通信の安定性も重要です。平均PING値が低くても、数秒ごとにPING値が大きく変動すると、動きが一瞬止まったり、急に早送りされたように表示されたりすることがあります。

MMORPGでは影響が比較的小さい

MMORPGやターン制ゲームは、FPSや格闘ゲームほど瞬間的な操作を要求されないため、多少PING値が高くてもプレイできる場合があります

一般的なフィールド移動やクエストであれば、50~100ms程度でも大きな問題を感じないことがあります。

ただし、高難度コンテンツや対人戦では、回避やスキル発動の遅れが影響する可能性があります。ゲームのジャンルだけでなく、プレイするコンテンツによっても必要な通信品質は異なります。

クラウドゲームでは特に重要

クラウドゲームでは、ゲームの映像がサーバー側で生成され、自宅の端末へリアルタイムで送られます。プレイヤーの操作もインターネット経由でサーバーへ送信されるため、通常のオンラインゲームよりも遅延の影響を受けやすくなります。

PING値が高いと、コントローラーやキーボードを操作してから画面が動くまでの遅れが目立ちます

クラウドゲームを快適に利用するには、通信速度だけでなく、低PING、低ジッター、パケットロスの少なさが重要です。

PING値がライブ配信に与える影響

black flat screen computer monitor

ライブ配信ではPING値が映像の画質を直接決めるわけではありません。画質にはアップロード速度やビットレートの影響が大きくなります

ただし、PING値や通信の安定性が悪いと、配信データをサーバーへ安定して送れなくなり、配信が途切れる原因になります。

配信映像が途切れたり停止したりする

配信ソフトから配信サーバーへ送るデータが遅れたり失われたりすると、映像が一時停止したり、画質が低下したりすることがあります。

特に、回線が混雑してPING値が急上昇している状態では、アップロード速度にも余裕がなくなっている可能性があります。

OBS Studioなどの配信ソフトで「ドロップしたフレーム」が増えている場合は、パソコンの性能だけでなく、回線の混雑や通信経路も確認する必要があります。

コメントへの反応が遅れる

ライブ配信では、配信者が映像を送信してから視聴者の画面に表示されるまでに、一定の遅延が発生します。

この遅延には、次のような処理が含まれます。

  1. カメラ映像をパソコンで圧縮する
  2. 配信サーバーへデータを送信する
  3. 配信サービス側で映像を処理する
  4. 視聴者の端末へ映像を配信する
  5. 視聴者の端末で映像を再生する

そのため、PING値が10msから30msに増えただけで、配信全体の遅延が大幅に増えるとは限りません。

一方、通信が不安定でデータの再送やバッファリングが発生すると、配信者と視聴者のやり取りに大きな遅れが生じることがあります

視聴者との会話を重視する配信では、PING値だけでなく、配信サービスの低遅延モードや超低遅延モードの設定も確認しましょう。

ゲーム配信では負荷が重なりやすい

ゲーム配信では、オンラインゲームの通信とライブ配信のアップロードを同時に行います

配信によってアップロード帯域を使い切ると、ゲームの通信が順番待ちになり、PING値が上昇することがあります。この現象は、回線速度が不足している場合だけでなく、ルーターの処理やキュー制御が適切でない場合にも発生します。

ゲームだけを起動しているときはPING値が低いのに、配信を開始すると急にPING値が上がる場合は、アップロード帯域の使いすぎやバッファブロートを疑いましょう

ジッターとは

ジッターとは、PING値の変動幅を表す指標です。

例えば、PING値が常に30ms前後で安定している回線と、10msから100msの間を激しく変動する回線では、平均PING値が同程度でも体感は大きく異なります。

オンラインゲームや音声通話では、通信速度そのものよりも、通信間隔が安定していることが重要です。

ジッターが大きいと、次のような症状が発生します。

  • キャラクターが瞬間移動する
  • ゲーム画面が一瞬停止する
  • ボイスチャットの音声が途切れる
  • ライブ配信の映像が乱れる
  • クラウドゲームの操作感が不安定になる

PING値を測定するときは、平均値だけでなく、最低値、最高値、ジッターも確認しましょう。

パケットロスとは

パケットロスとは、送信したデータの一部が通信途中で失われる現象です。

インターネット通信では、データを小さな単位に分割して送受信します。この小さなデータのまとまりをパケットと呼びます。

パケットが途中で失われると、データを再送する必要が生じたり、リアルタイム通信では欠けたまま処理されたりします

オンラインゲームでパケットロスが発生すると、操作が反映されない、キャラクターが巻き戻る、ゲームサーバーから切断されるといった問題が起こります

ライブ配信では、映像や音声の乱れ、ドロップフレーム、接続切断の原因になります。

快適な通信環境を目指す場合、パケットロスは基本的に0%が理想です。

PING値が高くなる主な原因

a black and white photo of a tennis net

PING値が高くなる原因は、契約している光回線だけとは限りません。自宅内の接続方法、ルーター、接続先サーバーなど、さまざまな要因が関係します。

Wi-Fiで接続している

Wi-FiはLANケーブルによる有線接続よりも遅延が発生しやすい接続方法です。

周囲のWi-Fi、Bluetooth機器、電子レンジ、壁や家具などの影響を受けるため、PING値やジッターが不安定になることがあります。

特に2.4GHz帯は電波が遠くまで届きやすい一方、利用している機器が多く、混雑しやすい周波数帯です。

オンラインゲームやライブ配信では可能な限り有線LAN接続を利用しましょう

接続先のサーバーが遠い

データは物理的な通信回線を通って移動するため接続先が遠いほどPING値は高くなります

国内サーバーではPING値が低くても北米やヨーロッパのサーバーへ接続すると100msを超えることがあります。

ゲーム内でサーバーやリージョンを選択できる場合は、日本やアジアなど、自宅に近い地域を選びましょう。

回線やプロバイダが混雑している

夜間や休日など利用者が増える時間帯には通信事業者やプロバイダの設備が混雑することがあります。

回線が混雑すると、データの順番待ちが発生し、PING値が上昇します。ダウンロード速度が低下するだけでなく、ジッターやパケットロスが増える場合もあります。

特定の時間帯だけPING値が高くなる場合は、回線混雑の可能性があります

大容量通信を同時に行っている

ゲーム中に別の端末で動画をアップロードしたり、大容量ファイルをダウンロードしたりすると、回線やルーターが混雑します。

特にアップロード帯域を使い切ると、ゲームの操作データまで順番待ちになり、PING値が大幅に上昇することがあります。

家族が同じ回線を利用している場合は、ほかの端末の通信状況も確認しましょう。

ルーターの性能が不足している

古いルーターや処理性能の低いルーターでは複数端末の通信を処理しきれないことがあります

また、1Gbpsや10Gbpsの光回線を契約していても、ルーターのWANポートやLANポートが回線速度に対応していなければ、本来の性能を発揮できません。

接続台数が多い家庭やゲーム配信を行う環境では、通信速度だけでなく、CPU性能やQoS機能、対応規格も確認する必要があります。

VPNを利用している

VPNを利用すると、通常とは異なるサーバーを経由して通信するため、PING値が高くなることがあります。

ゲーム向けVPNによって通信経路が改善する例もありますが、必ずPING値が下がるわけではありません。経由地が増えることで、逆に遅延が大きくなる可能性もあります。

VPN利用時だけPING値が高い場合は、一度VPNを切断して比較しましょう。

PING値を改善する方法

time-lapse photography

PING値は、通信速度の契約プランを変更するだけでは改善しないことがあります。まずは、自宅内の接続環境から確認しましょう。

有線LANで接続する

最も効果を期待しやすい方法は、パソコンやゲーム機をルーターへLANケーブルで接続することです。

有線LANは電波干渉を受けにくく、PING値、ジッター、パケットロスを安定させやすい特徴があります。

1Gbps回線ではカテゴリー5e以上、10Gbps回線ではカテゴリー6A以上のLANケーブルが一般的な選択肢です。

近いゲームサーバーを選ぶ

ゲーム内でリージョンを変更できる場合は、日本国内またはアジア地域のサーバーを選択しましょう。

サーバーまでの物理的な距離を短くすることは、PING値を下げるうえで非常に重要です。

ただし、距離が近くてもサーバー自体が混雑していれば、PING値や通信品質が悪化することがあります。複数のサーバーを選べる場合は、実際のPING表示を比較してください。

ゲーム中の大容量通信を止める

ゲームや配信を行うときは、次のような通信を停止しましょう。

  • クラウドストレージへの同期
  • OSやゲームのアップデート
  • 動画ファイルのアップロード
  • 大容量ファイルのダウンロード
  • 高画質動画の同時視聴

特にライブ配信中は、配信ビットレートに対してアップロード速度の余裕を確保することが重要です。

QoSやSQMを利用する

QoSは、ゲームや音声通話など特定の通信を優先する機能です。

ルーターによっては、ゲーム機やパソコンを優先端末に設定したり、ゲーム通信を優先したりできます。

SQMと呼ばれる通信制御に対応したルーターでは、回線を使い切ったときに発生するバッファブロートを抑えられる場合があります。

ただし、QoSを有効にすると最大通信速度が低下する製品もあるため、設定前後で速度とPING値を比較しましょう。

IPv6 IPoE対応回線を利用する

従来のPPPoE接続は、利用者が多い時間帯に混雑しやすい場合があります。

IPv6 IPoEに対応した光回線やプロバイダでは、混雑しやすい設備を回避できることがあり、夜間の速度低下やPING値の悪化を改善できる可能性があります。

ただし、IPv6 IPoEを利用すれば必ずPING値が低くなるわけではありません。ゲームサーバーまでの通信経路やプロバイダの設備状況によって結果は異なります。

ルーターを再起動・更新する

ルーターを長期間起動したままにしていると、動作が不安定になることがあります。

ルーターの再起動やファームウェア更新によって、通信状態が改善する場合があります。

ただし、頻繁に再起動しなければ安定しない場合は、ルーターの故障や性能不足も考えられます。

回線やプロバイダを見直す

有線接続に変更し、ルーターや端末に問題がないにもかかわらず、夜間だけPING値が大きく上昇する場合は、回線やプロバイダの混雑が原因かもしれません。

この場合は、IPv6 IPoE対応プロバイダへの変更や、独自回線・電力会社系光回線など、混雑の影響を受けにくい回線への乗り換えが選択肢になります。

ただし、地域や建物によって通信品質は異なります。回線名だけで判断せず、同じ地域や同じ建物での利用者の測定結果も参考にしましょう。

PING値の正しい測定方法

PING値を確認するときは、1回の測定結果だけで判断しないことが重要です。

有線LANで測定する

光回線そのものの性能を確認したい場合は、パソコンとルーターを有線LANで接続して測定します。

Wi-Fiで測定すると、自宅の無線環境による遅延が加わるため、回線側とWi-Fi側のどちらに原因があるのか判断しにくくなります。

複数の時間帯で測定する

朝、昼、夜、深夜など、複数の時間帯で測定しましょう。

昼間は問題がなく、夜間だけPING値が高くなる場合は、回線やプロバイダの混雑が疑われます。

ゲーム中のPING値も確認する

速度測定サイトで表示されるPING値は、測定サーバーまでの結果です。実際に利用するゲームサーバーまでのPING値とは異なります。

ゲーム内にPING表示機能がある場合は、ゲーム中の数値を優先して確認しましょう。

負荷をかけた状態でも測定する

何も通信していない状態のPING値が低くても、ダウンロードやアップロードを開始した瞬間にPING値が急上昇することがあります。

ゲーム配信を想定する場合は、配信やアップロードを行っている状態でもPING値を確認することが重要です。

無負荷時と負荷時のPING値に大きな差がある場合は、バッファブロートやルーターの処理能力が原因になっている可能性があります。

ゲームや配信に必要なPING値の目安

用途別のPING値の目安は、次のとおりです。

用途理想的なPING値プレイ・利用可能な目安
FPS・TPS30ms以下50ms前後まで
格闘ゲーム30ms以下50ms前後まで
アクションゲーム30ms以下50~80ms程度
MMORPG50ms以下100ms程度まで
ターン制ゲーム100ms以下150ms程度でも可能
クラウドゲーム20~30ms以下50ms前後まで
ライブ配信50ms以下が望ましい安定性のほうが重要
ボイスチャット50ms以下100~150ms程度まで

これらはあくまで一般的な目安です。

ゲーム側の通信処理、サーバー性能、プレイヤーの感覚、ゲームジャンルによって、同じPING値でも体感は異なります。

また、平均PING値が20msでも、ジッターやパケットロスが大きければ快適とは限りません。PING値、ジッター、パケットロスの3つをまとめて確認することが重要です。

まとめ

PING値は、自分の端末からサーバーへデータを送り、応答が返ってくるまでの時間を表します。レイテンシーは、インターネット通信で発生する遅延全般を指す言葉です。

オンラインゲームではPING値が高いと操作の反映が遅れ、FPSや格闘ゲームでは勝敗に影響することがあります。

ライブ配信ではPING値だけで画質が決まるわけではありませんが、回線の混雑や通信の不安定さによって映像の途切れやドロップフレームが発生する可能性があります。

通信環境を評価するときは、ダウンロード速度やアップロード速度だけでなく、次の項目を確認しましょう。

  • PING値
  • ジッター
  • パケットロス
  • 負荷時のPING値
  • ゲームサーバーまでの距離
  • アップロード速度の余裕

PING値を改善したい場合は、まず有線LAN接続へ変更し、近いゲームサーバーを選択したうえで、同時に行っている大容量通信を停止しましょう。

それでも夜間のPING値が高い場合は、IPv6 IPoEへの切り替えや、ルーター、プロバイダ、光回線の見直しを検討する必要があります。

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