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WiMAXで生配信・ゲーム配信はできる?おすすめではないがする方法はある


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WiMAXでは生配信をするのに必要な速度が出ない可能性がある

YouTubeLiveやTwitch、ニコニコ生放送などのライブ配信サイトで生配信をするには通信速度が速くて安定しているインターネット回線が必要です。

生配信は原理的には映像をリアルタイムで録画、エンコードしながらアップロードしているようなものです。

OBSで取り込まれた映像や音声は5Mbpsくらいでアップロードしています。なので最低でも上り5Mbps以上の通信速度が必要ということになります。

ビットレートを下げるとアップロード速度がもう少し遅くても配信はできますが、あまり下げると画質が悪くなって配信画面が見にくくなるのでできるだけ下げないほうがいいでしょう。

さらに配信をするにはOBSで映像をアップロードするだけではなく別の通信も必要です。例えば音声チャットをしたり、ゲーム対戦で通信したり、コメントを読んだり、配信をオンオフにしたりするときにも通信をします。

なので実際にはアップロード速度が15Mbps~30Mbpsくらい必要です。

WiMAXで生配信をするには不可能ではないが難しい

受信速度は速いが送信速度がかなり遅い

WiMAX比較最大受信速度(ベストエフォート)最大送信速度(ベストエフォート)
WiMAX 2+440Mbps75Mbps
WiMAX +5G2.7Gbps183Mbps
光回線1Gbps~10Gbps1Gbps~10Gbps

確かにWiMAX +5Gの最大ダウンロード速度は2.7Gbpsとなっていて速いです。現在の一般的な光回線は最大速度が1Gbpsのものが多いので、5G通信の方が2.7Gbpsなので速いというイメージを持っている方もいるかもしれません。

ですがWiMAX +5Gは最大送信速度が183Mbpsしかありません

光回線の場合だと1Gbpsプランでは最大受信速度も最大送信速度も1Gbpsとなっています。

生配信では映像のアップロードをしなければならないのでアップロード速度が遅いWiMAXは向いていないです。

WiMAXは通信速度が遅くなりやすい

WiMAXでは光回線よりも通信速度が遅いので生配信には向いていません。

現在WiMAXには

  • WiMAX 2+」:最大受信速度538Mbps、最大送信速度75Mbps
  • WiMAX +5G」:5G通信を利用する。最大受信速度2.7Gbps、上り最大速度183Mbps

の2つのプランがあります。

WiMAX 2+は最大アップロード速度が75Mbps、WiMAX +5Gの場合は最大アップロード速度が183Mbpsとなっています。こちらの数字は環境や混雑状況が悪くない状態の最大速度である「ベストエフォート」の速度です。

ベストエフォートの数字は実際に出ることは全くといっていいほどありません。実際には基地局の距離から遠かったり、電波が届きにくい場所だったり、多くの人が使って混雑したりすることでベストエフォートよりも通信速度が遅くなります。

なので実際にはWiMAX 2+の場合は送信速度が5Mbps前後、WiMAX +5Gの場合は15Mbps前後になるでしょう。

WiMAXは回線が不安定

さらにWiMAXなどの無線通信回線は有線の光回線よりも環境による影響を受けやすいです。例えば雨が降っただけで速度が下がります。

なので実際の速度が1Mbpsくらいしか出なかったり、通信が不安定になってとぎれとぎれになったりします

WiMAX +5Gではアップロード速度が実測15Mbpsくらいにはなるので配信はできなくはありませんが、通信が安定していないので画面が途切れたり配信が止まってしまう可能性もあります。

光回線ならアップロード速度がベストエフォートで1Gbps、実測は200Mbpsくらい出ます。光回線の場合も環境や混雑状況で通信速度が速くなったり遅くなったりしますが50Mbps以下になることはあまりありません。

安定した配信をしたい方にはWiMAXはおすすめできません。

WiMAX +5Gなら配信できる可能性が高くなる:エリアの確認が必要

WiMAX +5G」は名前の通り5G回線を利用しているので以前のWiMAX 2+よりは生配信ができる可能性が高いです。

ですがWiMAX +5Gのエリアはまだまだ拡大が遅いです。必ずエリアの確認をしなければいけません

ドコモなどの5Gエリアよりも拡大しているスピードが遅いので、ドコモが5GエリアだからといってWiMAX +5がエリア内であるわけでは全くありません。

もし+5Gのエリアでなければ今までと同じWiMAX 2+で通信することになります。2+エリアでの通信速度は実測約5Mbpsなのに対して+5Gエリアでは約15Mbpsなので大きな違いです。

配信できるかどうかの境目の速度なので注意しなければいけません。

速度制限「3日制限」に注意:強制的に速度が1Mbpsになる

引用元:WiMAX2+サービス ネットワーク混雑回避のための速度制限について|UQ WiMAX(ルーター)

WiMAXは他のモバイル回線のような月に使える通信量の上限はありません

多くのモバイルルーター・ポケットWi-Fiでは「1ヶ月間で最大30GBまで」というように月に使用できる容量が決まっていて、それ以上の容量を使うと次の月まで128kbpsなどのとても遅い通信速度になってしまいます。

WiMAXにはこのような通信量制限はありませんが、WiMAXにはいわゆる「3日制限」と呼ばれる通信速度制限があります。

「3日制限」とは3日間の合計通信量が

  • WiMAX +5Gでは15GB
  • WiMAX 2+では10GB

を超えると次の日の通信速度が1Mbpsにまで下げられてしまう制限です。

配信で使う通信量は配信内容にもよりますが1回の配信で3GB~5GBくらいの通信量があると思われます。もし毎日配信をしていたらすぐに15GBを超えてしまい3日制限になってしまいます

3日制限に引っかかると通信速度が1Mbpsになりますが、1Mbpsでは生配信は解像度や画質をかなり下げないとできません。ビットレートを500kbpsなどにすると画質はとても悪くなって何をしているのかわからないような画面になってしまいます。

それでは配信はほぼ不可能なので毎日配信はできないでしょう。

もし毎日配信をしなかったり、3日制限にかかっている時だけ配信を休みにする、配信以外にできるだけ通信をしないなどの対策をすれば配信はできなくはないでしょう。

スマホ向けの配信サイトなら可能

スマートフォンのアプリで配信できる配信サイトでは「WiMAX」で配信ができる可能性が高いです。

WiMAXは4Gとほぼ同じくらいの速度があるので4Gでもできるスマホの配信アプリなら配信をできるでしょう。

ただしスマホでする配信となるとビットレートが低く設定されていたり、画質をあげられないと思われるのでゲーム配信などは難しいでしょう。スマホでは音声のみの配信以外は難しいと思われます。

屋外で生配信をする場合などあまり画質を気にしなくてもいい配信内容ならWiMAXでも可能です。

生配信・ゲーム配信をしたい方はどの回線を契約すればいいの?

光回線を契約する:できなければ引っ越しも検討

やはり配信をしたい方はまず光回線を真っ先に選ぶべきです。

ゲーム配信におすすめの光回線は最大受信速度2Gbpsの「NURO 光」や独自回線の「auひかり」です。またエリアが広い「ドコモ光」もおすすめです

ただし光回線は工事をしなければならないのでネットに繋げられるようになるまで時間がかかります

ですが光回線のプロバイダには光回線を契約してから工事が終了してインターネットが開通するまでの間、安くモバイルルーターをレンタルできるプロバイダも多いです。そちらのモバイルルーターを利用するのもおすすめです。

もし光回線が利用できないのであれば光回線をつなげられる部屋まで引っ越しをすることがおすすめです。生配信を光回線以外でするのは難しいからです。

これは生配信をするには引っ越す前から準備が始まるという考え方にならないと仕方ないです。

引っ越し前にできるだけ

  • この部屋で光回線が契約できるかどうか
  • 自分の好きな回線事業者・プロバイダが選べるかどうか
  • 光回線の工事をしてもいいか

を確認しておいたほうがいいでしょう。

すぐに引っ越しできない場合はドコモ「ホーム5G」

ドコモのホームルーター「home 5G HR01」
「home 5G HR01」出典元:https://www.nttdocomo.co.jp/home_5g/router/

もし引っ越しをすぐにすることができない方、引っ越したばかりでしばらくは住まなければいけない方は引っ越しをするまでの間にできるだけ速いモバイル回線を利用するのがいいでしょう。

もしモバイル回線を契約する場合、最大速度が速い「ドコモ home 5G」がおすすめです。

ただし現在5Gエリアはまだまだ拡大中なので5Gエリア外に住んでいる可能性があります。契約前に5Gエリアにあるか確認しなければなりません。

もしドコモの5Gエリア外の場合は「WiMAX 2+」がおすすめです。WiMAXにもWiMAX +5Gプランがありますがドコモよりも5Gエリアの拡大が遅いのでドコモがエリア外の方はWiMAX +5Gもエリア外の可能性が高いです

WiMAX 5GエリアではなければWiMAX 2+で契約することになります。WiMAX 2+エリアはとても広いので使用できる可能性が高いです。

その次はY!mobileで5G・4G回線を利用したPocket Wifiがあります。

最大速度はWiMAXよりも遅いですが、もしかしたらY!mobileのほうが速度が出る可能性もあります。WiMAXはau系、Y!mobileはソフトバンクの回線なので別回線です。

別の回線なら基地局の距離が違うなどの理由で速度が全く違うこともありえます。WiMAXの速度が出なかった場合、Y!mobileを試してみてもいいでしょう。

Y!mobileよりもいいモバイル回線はおそらくありません。他のモバイル回線は最大通信速度が下り150Mbps、上り35Mbpsなどとなっていてとても低いです。実測では1Mbpsが出るかどうかということになります。

また他のモバイル回線には使い放題のプランがありません。基本的には「月に30GBまで」などの容量制限があり、それを超えると128kbpsまで下げられてしまうところがほとんどです。

128kbpsではまともにインターネットができないので実用的ではありません。


ホーム5Gを詳しく見るにはこちら

WiMAXで配信をするとしたら?OBSの設定方法

ビットレートを下げれば配信はできなくはない

OBSビットレート設定画面

通信速度が遅くても配信をできるようにするには出力するビットレートを下げます。OBSなどの配信ソフトの設定でビットレートを回線のアップロード速度より下げることで配信はできます。

ビットレートを変えるにはOBSの場合「ファイル」→「設定」→「出力」にある「ビットレート」という欄から変えられます。

ビットレートは回線速度より高く上げることはできません。アップロードの速度が1Mbps (1000kbps)しかでないのにビットレートを5000kbpsなどにすることは不可能です。

ビットレートは回線速度よりも小さい数字にしないと映像のアップロードが間に合わないので配信画面がぶつぶつに切れたり、配信が止まってしまいます。それでは視聴者の方が配信をまともに見れなくなってしまいます。

配信前にはアップロード速度を確認する

Fast.comインターネット速度計測サイト
アップロード速度は右下。筆者Y!Mobileで計測。

安定した配信をするにはまず初めにインターネットの通信速度を計測するスピードテストでアップロードの速度を確認しなければなりません

スピードテストは

などがあります。どちらでもいいですがアップロード速度が見にくいところにあるスピードテストもあるので注意してください。

Fast.comのスピードテストの場合はダウンロードの計測が終わったあとに「詳細を開く」を押さないとアップロード速度が見られないので注意してください。

OBSのビットレートの数字をアップロード速度の半分に変える

WiMAX使用者向けのビットレートの設定方法の例
自分のアップロード速度が10Mbps以上 → OBSのビットレートを5Mbps(5000kbps)あたりにする
自分のアップロード速度が10Mbps以下の場合 → OBSのビットレートを半分程度にする
【例】自分のアップロード速度:4Mbps → OBSのビットレート:2000kbps以下

アップロード速度が10Mbps以上ならビットレートを5Mbps (5000kbps)に、アップロード速度が10Mbps以下ならビットレートはアップロード速度の半分にします。

なぜ半分くらいにしなければいけないかと言うと理由は2つあります

  • 生配信をするにはOBSがする配信画面のアップロード以外にもインターネット通信が必要なので余裕を持たなければいけないから
  • もしネット回線が不安定になって通信速度が一時的に下がったとしても配信を続けられるようにしなければならないから

です。

ただし映像のビットレートが5Mbps以下に下げると画質が悪くなったり、ブロックノイズが出たり、動きがカクカクになったりすることが増えてきます

あまりにも画質が悪いとライブ配信の視聴者の方にとっては見苦しく感じるのであまり5Mbps以下には下げないほうがいいです。

なのでやはり「WiMAX」などのモバイル回線ではあまり生配信には向いていないのがわかると思います。

WiMAXで配信をするには解像度を下げる

OBS解像度変更画面

ビットレートが低くてもできるだけ画質を上げたい場合は解像度を下げるといいでしょう。

生配信の視聴者は配信画面をコメントと一緒に見ることが多いので配信画面を1280×720などの解像度で見ています。なのでアップロードの解像度を1920×1080にしなくても問題はあまりありません。

OBSの「ファイル」→「設定」→「映像」の「出力(スケーリング)解像度」を下げれば下げるほど解像度は低くなりますが、その分情報量も少なくなっていくので画質も上がっていきます。

ですが全画面で配信を見たいという視聴者の方ももちろんいるでしょう。解像度が1280×720やそれより低い映像を全画面(1920×1080など)で見ると映像が無理やり拡大されるということになるので画質が悪くなります。

画面が汚いと視聴者の中には見る気が失せてしまう方もでるかもしれません。

またCPU使用のプリセットをslowなど下の方にすると画質は良くなることが多いです。ただしCPUの使用率が上がるのでハイスペックなCPUが必要です。

他のモバイル回線と比較:他に配信ができるモバイルルーターはある?

モバイル回線最大受信速度(ベストエフォート)最大送信速度(ベストエフォート)
ドコモ home 5G5Gエリア:4.2Gbps
4Gエリア:1.7Gbps
5Gエリア:218Mbps
4Gエリア:131Mbps
SoftBank Air5Gエリア:2.1Gbps
4Gエリア:612Mbps
非公開
(実測5Mbps前後)
WiMAX +5G5Gエリア:2.7Gbps
4Gエリア:440Mbps
5Gエリア:183Mbps
4Gエリア:75Mbps
Y!mobile5Gエリア :2.4Gbps
4Gエリア :838Mbps
5Gエリア:110Mbps
4Gエリア:46Mbps
光回線1Gbps~10Gbps1Gbps~10Gbps

配信ができるモバイル回線は「WiMAX 2+」以外には「ドコモ home 5G」か「Y!mobile」のポケットWi-fiかのどちらかでしょう。

ドコモのホーム5Gは5G回線を利用したモバイル回線(ホームルーター)です。5Gという名前がついていますが、5Gエリア外では4Gで接続するので5Gエリア外の方でも利用できます。

通信速度が5Gエリアで送信速度最大218Mbps、4Gエリアでは送信速度最大131Mbpsとなっています。こちらの数字もベストエフォートなので実際にはもっと遅くなります。

ですがWiMAXの最大アップロード速度はWiMAX +5Gエリアで183Mbps、WiMAX 2+エリアで75Mbpsとくらべると、ドコモのHome 5Gの方が最大速度が速いので実測も早くなる可能性があります。

またドコモは5Gエリアが広いです。WiMAX +5Gではエリア外の方でもドコモではエリア内になっている可能性があります。

現時点ではモバイル回線を契約するとすればドコモがおすすめです。

またホーム5Gには通信制限はあるとは書かれていますが、どのタイミングで通信制限をするかは明確には書かれていません。

以前は「100GBまで使用すると制限かかかる」と書かれていましたが現在は書かれていません。また当日を含む直近3日間のデータ利用量が特に多いお客さまは、それ以外のお客さまと比べて通信が遅くなることがあります。と注意書きがあります。制限が掛かる可能性がないわけではないので注意が必要です。

Y!Mobileの場合、通信量の上限がないのでWiMAXと似ています。また3日間で10GB以上使用した時に制限される「3日制限」があるのもWiMAXとかなりにています。

ただしY!mobileの場合アップロードの最大送信速度が5Gエリアで最大110Mbps、4Gエリアのときは最大46MbpsとWiMAXの半分くらいになっています。こちらの数字はベストエフォートなので実際にこの速度は出ません。最大速度がWiMAXの半分くらいなので実際の速度もWiMAXの半分くらいになる可能性があります。

ですがもし運が良ければY!mobileはソフトバンクの5G・4G回線なのでau系のWiMAXの回線よりも速度は出ることはありえます。WiMAXの速度が出なかった場合、次に試すのはYmobileでしょう。

ソフトバンクAirというモバイル回線もあります。こちらは「通信量が多い人は制限する」ということしか書かれていません。

ですがソフトバンクAirでは一日での通信速度の変化が多いという報告があります。特に夜になるとかなり速度が下がるという数字が出ています。

このような不安定な通信速度では生配信にはあまり向いていないでしょう。