10ギガ対応スイッチングハブは必要?必要なケースと選び方を解説
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最終更新日:2026年9月4日
10ギガ光回線を契約するとき、「10ギガ対応のスイッチングハブも用意したほうがよいのでは」と考える人もいるでしょう。
10ギガ対応スイッチングハブは、すべての家庭に必要な機器ではありません。
10ギガ対応パソコンを1台だけ接続するなら、10ギガ対応ルーターのLANポートへ直接つなげばよいため、基本的にスイッチングハブは不要です。
10ギガ対応パソコンやNASを複数台接続したい場合や、ルーターの10ギガLANポートが足りない場合は、10ギガ対応スイッチングハブが必要になります。
この記事では、10ギガ対応スイッチングハブが必要なケースと不要なケース、購入するときの選び方を解説します。
10ギガ対応スイッチングハブは基本的には必要ない

一般家庭では、10ギガ対応スイッチングハブが必要ないケースがほとんどです。
10ギガ光回線を利用するために、最低限必要なのは主に次の機器です。
- 10ギガ光回線に対応したONUまたはホームゲートウェイ
- 10ギガ対応ルーター
- 10ギガ対応LANポートを搭載したパソコン
- 10ギガ通信に対応したLANケーブル
10ギガ対応ルーターに使える10ギガLANポートがあり、接続する10ギガ対応機器が1台だけなら、パソコンをルーターへ直接接続できます。
スイッチングハブはLANポートを増やすための機器です。接続する機器が少ないのに追加しても、通信速度が速くなるわけではありません。
接続する機器が1台ならルーターへ直接つなぐ
10ギガ対応パソコンを1台だけ使う場合は、次のように接続します。
光回線
↓
ONU・ホームゲートウェイ
↓
10ギガ対応ルーター
↓
10ギガ対応パソコン
この構成でルーターの10ギガLANポートを使えるなら、スイッチングハブを追加する必要はありません。
ただし、ルーターに搭載されている10ギガポートが、インターネット回線を接続するWAN専用なのか、パソコンを接続できるLANポートなのかは確認が必要です。
製品によっては「10G WANポートは搭載しているが、LANポートは最大1Gbpsまたは2.5Gbps」という場合があります。
10ギガ対応スイッチングハブが必要なケース
10ギガ対応機器を複数台接続するなら、10ギガ対応スイッチングハブが必要になることがあります。
主なケースは次のとおりです。
| 利用状況 | 10ギガ対応ハブ |
|---|---|
| 10ギガ対応パソコンを1台だけ接続する | 基本的に不要 |
| 10ギガ対応パソコンを2台以上接続する | 必要になる可能性が高い |
| パソコンとNASを10ギガで接続する | 必要になる可能性が高い |
| ルーターに10ギガLANポートが複数ある | 不要な場合がある |
| 接続機器がすべて1ギガ対応 | 不要 |
| 接続機器が2.5ギガまで対応 | 2.5ギガ対応ハブでもよい |
| Wi-Fi接続が中心 | 基本的に不要 |
10ギガ対応機器を複数台接続する
10ギガ対応ルーターに10ギガLANポートが1つしかない状態で、10ギガ対応パソコンを2台接続したい場合は、LANポートが不足します。
この場合は、ルーターと10ギガ対応スイッチングハブをつなぎ、ハブから各パソコンへLANケーブルを接続します。
光回線
↓
ONU・ホームゲートウェイ
↓
10ギガ対応ルーター
↓
10ギガ対応スイッチングハブ
├─ 10ギガ対応パソコン
├─ 10ギガ対応パソコン
└─ 10ギガ対応NAS
家庭向けにも、10GBASE-T・5GBASE-T・2.5GBASE-Tに対応し、パソコンやNASを複数台接続できる5ポート・8ポートのスイッチングハブが販売されています。
パソコンとNASを10ギガで接続する
動画編集や写真編集などで大容量ファイルをNASに保存している場合は、10ギガ対応スイッチングハブのメリットを生かしやすくなります。
たとえば、次のような機器をすべて10ギガで接続する場合です。
- メインの動画編集用パソコン
- サブパソコン
- 10ギガ対応NAS
- バックアップ用サーバー
インターネットからデータをダウンロードするだけでなく、家庭内LANで数十GB~数百GBのファイルを頻繁に移動する人には、10ギガLANのメリットがあります。
ただし、実際の転送速度はLANポートだけで決まるわけではなく、NASのCPU性能やストレージ構成、SSD・HDDの読み書き速度にも左右されます。
パソコンとNASの両方を10ギガ対応にしても、NASに搭載されたHDDの処理が追いつかなければ、常に10Gbps近い速度が出るとは限りません。
ルーターの10ギガLANポートが不足している
10ギガ対応ルーターでも、すべてのLANポートが10ギガ対応とは限りません。
たとえば、次のような構成のルーターがあります。
- 10ギガWANポート:1つ
- 10ギガLANポート:1つ
- 1ギガLANポート:3つ
この場合、10ギガで接続できる有線機器は、原則1台です。
2台以上の機器を10ギガ接続したい場合は、10ギガLANポートにスイッチングハブを接続してポート数を増やします。
ルーターを購入するときは、「10ギガ対応」という表記だけで判断せず、WAN側とLAN側のポート構成を確認しましょう。
別の部屋に複数の有線機器を設置する
ルーターから離れた部屋に、パソコンやNAS、ゲーム機などをまとめて設置している場合にも、スイッチングハブを使えます。
ルーターから各機器へLANケーブルを何本も引く代わりに、別室まで高速なLANケーブルを1本引き、その先にスイッチングハブを設置します。
ただし、ルーターとスイッチングハブをつなぐアップリンクが1Gbpsなら、ハブに10ギガ対応機器を接続しても、ルーターとの通信は合計1Gbpsまでに制限されます。
10ギガ環境を構築するなら、ルーターからハブまでの接続も10ギガ対応にする必要があります。
10ギガ対応スイッチングハブが不要なケース
10ギガ光回線を契約していても、使い方によっては1ギガまたは2.5ギガ対応スイッチングハブで十分です。
10ギガ対応パソコンが1台しかない
10ギガ対応パソコンが1台だけなら、ルーターの10ギガLANポートへ直接接続できます。
1ギガ対応のテレビやゲーム機、レコーダーなどは、ルーターの空いている1ギガLANポートへ接続すればよいため、すべての機器を10ギガ対応ハブへまとめる必要はありません。
接続する機器が1ギガまでしか対応していない
パソコンやNASのLANポートが最大1Gbpsなら、10ギガ対応スイッチングハブを使っても、その機器の通信速度は最大1Gbpsです。
通信速度は、経路の中で最も遅い部分に制限されます。
10ギガ対応ルーター
↓ 10Gbps
10ギガ対応ハブ
↓ 1Gbps
1ギガ対応パソコン
この構成では、パソコン側のLANポートがボトルネックになるため、最大通信速度は1Gbpsです。
将来的に10ギガ対応機器を増やす予定がなければ、比較的安価な1ギガ対応ハブで十分です。
2.5ギガ対応機器が中心になっている
最近のパソコンやNASには、2.5GbE対応LANポートを搭載した製品もあります。
接続する機器がすべて最大2.5Gbpsなら、10ギガ対応ハブではなく、2.5ギガ対応ハブを選ぶのも一つの方法です。
次のような構成なら、費用と性能のバランスを取りやすくなります。
- ルーターとの接続:10Gbps
- 各パソコンとの接続:2.5Gbps
- NASとの接続:10Gbpsまたは2.5Gbps
10ギガのアップリンクポートと複数の2.5ギガポートを搭載した製品なら、各機器の速度は2.5Gbpsまでですが、複数台からの通信を高速なアップリンクへまとめられます。
ゲームや動画視聴が中心になっている
オンラインゲームや動画視聴では、最大通信速度よりもPing値や回線の安定性、パケットロスなどが重要です。
10ギガ対応スイッチングハブへ交換しただけで、ゲームのPing値が大幅に下がるわけではありません。
1ギガ対応の有線LANで速度が足りているなら、ゲーム用として10ギガ対応ハブを導入するメリットは小さいでしょう。
10ギガ対応ハブを設置しても回線速度は10倍にならない
10ギガ対応スイッチングハブは、回線速度を増幅する機器ではありません。
道路にたとえると、スイッチングハブは道路そのものを広げる機器ではなく、複数の目的地へ分岐させる交差点のようなものです。
10ギガ光回線を複数のパソコンで使う場合も、契約しているインターネット回線の帯域を共有します。
たとえば、複数のパソコンが同時に大容量通信を行っても、各パソコンがそれぞれ10Gbpsでインターネットへ接続できるわけではありません。
10ギガ光回線の「最大10Gbps」は、規格上の最大通信速度です。実際の速度は、回線の混雑状況、プロバイダ、ルーター、LANカード、接続先サーバーなどに左右されます。
パソコンとNASのように、同じ家庭内LANにある機器同士の通信ではインターネット回線を経由しません。機器やストレージの性能に余裕があれば、10ギガLANの性能を生かしやすくなります。
10ギガ対応スイッチングハブの選び方
10ギガ対応スイッチングハブを購入するときは、価格だけでなく、ポート構成や対応規格も確認しましょう。
10ギガ対応ポートの数を確認する
「10ギガ対応スイッチ」と書かれていても、すべてのポートが10ギガに対応しているとは限りません。
次のような製品があります。
- すべてのポートが10ギガ対応
- 一部のポートだけ10ギガ対応
- 通常ポートは1ギガで、アップリンクだけ10ギガ対応
- RJ45ポートではなくSFP+だけ10ギガ対応
一般家庭で通常のLANケーブルを使うなら、RJ45端子を採用した10GBASE-T対応ポートが必要です。
5ポートハブのうち1ポートをルーターとの接続に使うと、パソコンやNASに使えるポートは残り4つになります。
購入するときは、今後増やす機器も考えてポート数を選びましょう。
10G・5G・2.5G・1Gに対応しているか確認する
10ギガ対応ハブを選ぶなら、マルチギガビット対応製品が使いやすいでしょう。
マルチギガビット対応製品なら、接続した機器に応じて次の速度で通信できます。
- 10Gbps
- 5Gbps
- 2.5Gbps
- 1Gbps
- 100Mbps
10ギガ非対応の機器も同じハブへ接続できるため、家庭内の機器を段階的に高速化できます。
ただし、対応速度は製品によって異なるため、仕様表でAuto-Negotiationの対応範囲を確認してください。
スイッチング容量を確認する
スイッチング容量とは、スイッチングハブが内部で処理できる通信量の上限です。
すべてのポートが10ギガ対応の製品では、ポート数に応じて次の数値がひとつの目安になります。
| ポート数 | スイッチング容量の目安 |
|---|---|
| 5ポート | 100Gbps |
| 8ポート | 160Gbps |
これは、各ポートの送信と受信を合計して計算した数値です。
実際に、5ポートの10ギガ対応製品には最大100Gbps、8ポート製品には最大160Gbpsのスイッチング容量を備えたものがあります。
複数の機器間で同時に大容量ファイルを転送するなら、すべてのポートを同時に処理できるノンブロッキング構成かどうかも確認しておくとよいでしょう。
LANケーブルのカテゴリを確認する
10GBASE-Tで通信するなら、LANケーブルも10ギガ通信に対応している必要があります。
| LANケーブル | 10ギガ通信の目安 |
|---|---|
| Cat5e | 基本的には1Gbps、機器によって2.5Gbps・5Gbps |
| Cat6 | 条件により最大10Gbps、長さは最大55mが目安 |
| Cat6A | 最大10Gbps、最大100m |
| Cat7以上 | 対応可能だが家庭ではCat6Aで十分 |
Cat6ケーブルでも短い距離なら10ギガ通信に使えますが、ケーブルの束ね方や施工状態、周囲のノイズによって安定性が変わります。新しく配線するなら、最大100mの10GBASE-T通信を想定したCat6Aが無難です。
数メートル程度の家庭内配線ならCat6でも使える可能性は高いものの、確実性を重視するならCat6Aを選びましょう。
ファンの有無と動作音を確認する
10ギガ対応スイッチングハブは、1ギガ対応製品より発熱や消費電力が大きくなりやすい傾向があります。
製品によっては、本体を冷却するファンを搭載しています。家庭向け製品でも、温度に応じて回転数を調整する冷却ファンを採用したモデルがあります。
仕事部屋やリビングでは気にならなくても、寝室や録音環境ではファンの動作音が気になることがあります。
設置場所に応じて、次の項目を確認しましょう。
- ファンレス設計か
- ファンの回転数を自動制御できるか
- メーカーが公表している動作音
- 本体の消費電力
- 周囲に放熱スペースを確保できるか
ファンレス製品でも本体が高温になりやすい場合があるため、密閉された棚の中への設置は避けたほうがよいでしょう。
家庭用ならアンマネージスイッチで十分
スイッチングハブは、大きく次の3種類に分けられます。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| アンマネージスイッチ | 接続するだけで使用できる |
| スマートスイッチ | VLANなど一部の管理機能を使用できる |
| マネージスイッチ | 詳細なネットワーク管理が可能 |
一般家庭でLANポートを増やすだけなら、設定不要のアンマネージスイッチで十分でしょう。
VLANを使って仕事用と家庭用のネットワークを分けたい場合や、通信量を確認したい場合は、スマートスイッチやマネージスイッチを検討します。
高機能な製品ほど価格が高くなり、設定も複雑になります。
10ギガ対応スイッチングハブを導入するデメリット
10ギガ対応ハブはLANポートを増やせる一方で、いくつかデメリットもあります。
導入費用が高くなる
10ギガ対応スイッチングハブは、一般的な1ギガ対応ハブよりも高価です。
環境によっては、次の機器も必要になります。
- 10ギガ対応LANカード
- 10ギガ対応USB・Thunderbolt LANアダプター
- Cat6A LANケーブル
- 10ギガ対応NAS
- 高速なSSD
- 10ギガ対応ルーター
スイッチングハブだけを購入しても、接続する機器が10ギガに対応していなければ速度は上がりません。
消費電力と発熱が増える
10ギガ対応スイッチングハブは常時稼働させることが多いため、消費電力や発熱も確認しておきましょう。
10ギガポートが多い製品やファンを搭載した製品は、1ギガ対応ハブより消費電力が大きくなることがあります。
必要以上に10ギガポートが多い製品を選ぶより、利用する機器数に合った製品を選ぶほうが効率的です。
機器が増えてトラブル箇所も増える
スイッチングハブを追加すると、LANケーブルや電源アダプター、接続ポートなど、確認する場所も増えます。
速度が出ない場合は、次の項目を一つずつ確認する必要があります。
- ルーターとハブの接続速度
- ハブとパソコンの接続速度
- LANケーブルのカテゴリ
- LANカードの対応速度
- Windows上のリンク速度
- ハブの対応規格
- 使用しているポートの仕様
10ギガ対応機器が1台だけなら、ルーターへ直接接続したほうが構成をシンプルにできます。
迷った場合は2.5ギガ対応ハブも検討する
10ギガ対応スイッチングハブは、複数の機器で高速通信したい人には便利ですが、一般家庭では性能を持て余すことがあります。
次のような使い方なら、2.5ギガ対応ハブでも十分です。
- 2.5GbE対応パソコンを複数台接続する
- 2.5GbE対応NASを利用する
- 1Gbpsを超える速度が出ればよい
- 10ギガ対応ハブの価格や消費電力を抑えたい
動画編集用パソコンと高速NASの間で大量のデータを移動する場合や、将来的に複数台の機器を10ギガ対応にする予定があるなら、最初から10ギガ対応ハブを導入する方法もあります。
まとめ
10ギガ対応スイッチングハブは、10ギガ光回線を契約したからといって必ず必要になる機器ではありません。
10ギガ対応パソコンが1台だけなら、ルーターの10ギガLANポートへ直接接続できるため、基本的にスイッチングハブは不要です。
10ギガ対応ハブが必要になるのは、主に次のケースです。
- 10ギガ対応機器を2台以上接続する
- パソコンとNASを10ギガで接続する
- ルーターの10ギガLANポートが不足している
- 複数の部屋へ高速な有線LANを分配する
- 家庭内で大容量ファイルを頻繁に転送する
購入するときは、10ギガポートの数だけでなく、10GBASE-Tやマルチギガへの対応、スイッチング容量、ファンの動作音、消費電力も確認しましょう。
接続する機器が2.5ギガ対応までなら、より安価で扱いやすい2.5ギガ対応スイッチングハブを選ぶのも一つの方法です。
現在の機器構成と今後の増設予定を確認し、本当に10ギガポートが複数必要なのかを判断しましょう。


