5G回線,  ライブ配信

ホームルーターでライブ配信・ゲーム配信はできる?方法はなくなはないが非推奨


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最終更新日:2024年1月5日

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ホームルーターで
ライブ配信・ゲーム配信はできる?

最近は5G回線で高速な通信ができるホームルーターが出ています。ホームルーターは工事のいらないインターネット回線として話題に上がります。

ホームルーターは例えば「WiMAX +5G」、「ドコモ home 5G」の他に「SoftBank Air」などもあります。

こちらでゲーム配信はできるのか解説していきます。

ホームルーターでは生配信をするには少し難しい理由

black and gray audio mixer

ホームルーターでは生配信が少し難しい理由

5Gエリアでは生配信ができない通信速度になる可能性がある

モバイル回線5G最大速度(ベストエフォート)4G最大速度
WiMAX +5Gダウンロード:4.2Gbps
アップロード:286Mbps
ダウンロード:440Mbps
アップロード:75Mbps
ドコモ home 5Gダウンロード:4.2Gbps
アップロード:218Mbps
ダウンロード:1.7Gbps
アップロード:131Mbps
SoftBank Airダウンロード:2.1Gbps
アップロード:非公開
ダウンロード:612Mbps
アップロード:非公開
Y!mobileダウンロード:2.4Gbps
アップロード:110Mbps
ダウンロード:838Mbps
アップロード:46Mbps
(参考)光回線
1Gbpsプランの場合
ダウンロード:1Gbps
アップロード:1Gbps
ダウンロード:1Gbps
アップロード:1Gbps

ホームルーターはライブ配信やゲーム配信をするのに必要な速度が出ない可能性が高いです。

生配信には送信速度(アップロード速度)が最低でも15Mbps~30Mbpsくらい必要です。

例えばドコモの「home 5G」の仕様を見ると、5Gエリアでのダウンロード速度が最大4.2Gbps、アップロード速度が最大218Mbpsとなっています。

これらの最大速度は環境が全て整っていた時に出せる理論値(ベストエフォート)なので実際にこの速度が出るわけではありません。

実際の速度は環境にもよりますが

  • ダウンロード速度(実測):100Mbps~200Mbpsあたり、
  • アップロード速度(実測):20Mbpsあたり

になります。アップロード速度が20Mbpsくらいでは配信は無理ではありません。

ですがホームルーターは電波回線なので環境によって通信速度に影響を受けやすいです。なのでたくさんの人が同時に使う時間帯や天候が悪い日などは5Mbpsくらいしか出ない時もあります。

5Mbpsでは生配信は難しくなってきます。もし「できるだけ毎日配信をしたい」と思っている方にとっては速度低下のせいでできない日も出てくるでしょう。

5Mbpsになったらプレイ中にネットで通信するオンラインゲームで「ゲーム配信」をするには無理に近いです。

4GエリアやWiMAX 2+エリアではかなり難しい

上記の速度は5Gエリアで5G回線を使った時の話です。もしホームルーターで5Gを使った通信をしたい方は必ず5Gエリアなのかどうか確認する必要があります。

5Gエリアではない場合、ホームルーターは4G回線やWiMAX 2+による通信となります。

ドコモのhome 5Gルーターを4Gエリアで使用するとベストエフォートの通信速度は受信時最大1.7Gbps、送信時最大131.3Mbpsとなっています。

こちらの数字もベストエフォートなので実際には

  • ダウンロード速度(実測):50Mbps前後
  • アップロード速度(実測):5Mbps前後

となります。

アップロード速度が5Mbpsでは生配信をするには難しくなってきます。画質や解像度をかなり落とさなければいけません。

同時に通信をする必要があるオンラインゲームでゲーム配信をするのは難しいでしょう。できない可能性が高いです。

また電波回線の混雑状況や周辺環境によってさらに速度が下がる可能性が高いです。1Mbpsや200kbpsくらいしか出ないこともありえます。通信速度がそこまで下がると普通にネットをすることも難しくなってきます。

どうしてもホームルーターで配信をしたいなら

ホームルーターで配信するには

ビットレートを下げる最高でも5000kbps以下、最低でも2000kbpsくらいまで
解像度を下げる1280×720以下
フレームレート(fps)を下げる30fps

ホームルーターで配信をしたい方は

  • ①ビットレートを下げる
  • ②解像度を下げる
  • ③フレームレート(fps)を下げる

の設定をしなければなりません。

ライブ配信・ゲーム配信をする時にはOBSを使用する方がほとんどだと思います。OBSの設定を変えることで通信速度が遅くても配信ができるようになります。

生配信はOBSなどの配信ソフトで映像を記録してリアルタイムで映像をアップロードしています。映像をアップロードしなければいけない通信量よりもインターネット回線の速度のほうが遅ければ配信画面がブツブツ切れたり、配信が止まってしまったりします

なのでOBSの設定でアップロードしなければいけない量を減らせば生配信ができます

①ビットレートを下げる(5000kbps以下、2000kbpsくらいまで)

出力モードが「基本」か「詳細」かによって画面が違います

まず出力のビットレートを下げます。「ファイル」→「設定」→「出力」のページの中にある「ビットレート」は映像をアップロードする量を決める設定です。

どのくらいのビットレートにするかですが、ビットレートは自分のアップロード速度の半分くらいにします。

インターネット回線スピードテスト・通信速度測定 | USEN GATE 02」などの通信速度を計測するサイトで自分の『アップロード速度』を確認します。

自分のアップロード速度が10Mbps以上の場合、ビットレートを5Mbps(5000kbps)あたりにする

例えば自分のアップロード速度が10MbpsだったらOBSのビットレートを5000kbpsあたりに設定します。

もし自分のアップロード速度が10Mbps以上だった場合、ビットレートをもう少し上げてもいいですが、ホームルーターの無線通信では通信が不安定で速度が低下しやすいです。

配信中に速度低下をしてしまった時の考慮もしなければいけません。あまり上げすぎるのは危険です。

なので最高でも5000kbps程度にしておいたほうが無難です。

アップロード速度が10Mbps以下の場合、ビットレートを速度の半分にする(最低2000kbpsまで)

もし自分のアップロード速度が10Mbps以下の場合はOBSのビットレートは最大でも半分までにしなければいけません

アップロードの帯域がOBSだけになってしまうと他の通信ができなくなってしまうので、他のソフトのために帯域を開けておかなければいけないからです。

ただしOBSのビットレートを下げれば下げるほど画質が悪くなるので注意してください。ビットレートを5Mbps以下にするとブロックノイズが発生しやすくなります。

たいていの場合ホームルーターでは通信速度が10Mbpsよりも速くなることはあまりないので、OBSのビットレートも5Mbps以下の設定しなければならないでしょう。これがホームルーターが生配信に向いていない理由です。

また、ビットレートの少し下にあるプリセットを「Max Quality」などの上の方にすると画質がよくなります。ただしCPUの使用率が上がるので性能の低いCPUでは重くなってしまう可能性もあります。

②解像度を下げる(1280×720以下)

解像度を下げると情報量が減るので画質が上がります。

YouTubeLiveでコメントを表示した時の配信画面は1280×720になっているので1280×720くらいにすると良いでしょう。

1920×1080の情報量は1280×780の4倍です。1280×780ではデータの1/4しか映像データを送る必要がなくなるので、狭い部分に情報を詰め込む時間がかけられるということになるので結果的に画質が上がります

映像をどれだけの速度でアップロードするかは先程設定したビットレートで決まります。なので解像度を上げても下げても設定したビットレート内に収まるようになっています。

つまり解像度を上げるほど結果的に画質が悪くなります。

OBSで「ファイル」→「設定」→「映像」の所には

  • 基本(キャンバス)解像度
  • 出力(スケーリング)解像度

の2つがあります。

基本解像度はOBSで映像を作る時の解像度です。基本解像度で設定した解像度で録画をしています。

出力解像度の方が実際にアップロードする時の解像度です。

2つの解像度が違うと出力解像度にするために拡大や縮小が行われるので画質が悪くなる可能性があります。基本的には同じ数字にしたほうがいいですが、出力解像度が基本解像度よりも小さければ問題ありません。

③フレームレートを下げる(30fpsあたり)

もしフレームレートが60fpsになっていたら30fpsくらいまで下げてもいいでしょう

30fps未満にするのは映像がガクガクになるのであまりおすすめではありません。

フレームレートとは1秒間に表示する画像の枚数です。つまり30fpsでは一秒間に30枚の画像を連続で表示させて動きのある映像にしているということです。

そしてフレームレートを60fpsにすると30fpsの2倍の枚数が必要となるので、アップロード速度が間に合わず画質が下がる可能性が高まります。

もし画質が悪くても動きがなめらかな方が良いという方は60fpsにしてもいいでしょう。

④音質を下げる(128kbpsなど)

OBSの「ファイル」→「設定」→「出力」にある音声タブの音声ビットレートは多少下げても大丈夫でしょう。

音声ビットレートが128kbpsあたりなら人間の話す言葉がちゃんと分かるレベルです。なのでこのあたりまで下げてもいいでしょう。

もしゲーム音や歌、楽器などの音にもこだわる場合は160kbps~192kbpsあたりまであったほうが良いです。

音声のビットレートは設定した映像のビットレート内で通信します。つまり映像のビットレートを5000kbpsに、音声のビットレートを200kbpsに設定した場合、5200kbpsでアップロードするわけではなく、5000kbps(内200kbpsが音声)でアップロードします。

ライブ配信をするには光回線がおすすめ

ライブ配信・ゲーム配信をしたい方は光回線がおすすめです。

現在の光回線は最大速度が1Gbpsのプランが多いです。この1Gbpsという数字は環境に全く影響を受けてないときにしか出ない理論値(ベストエフォート)なのでこの数字が出るわけではありません。

1Gbpsプランの実際の速度は200Mbpsくらいになります。

光回線は上下どちらも最大速度が1Gbpsなので実際のアップロード速度も200Mbpsくらいでます

ライブ配信をしたい方は基本的には光回線以外には選択肢はないと考えたほうがいいでしょう。

おすすめの光回線は最大受信速度が2Gbpsの「NURO 光」です。

生配信ができる光回線の選び方についてはこちらも参考にしてください。

★どうしてもホームルーターしか契約できない場合のおすすめは?

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★どうしてもホームルーターしか契約できない場合のおすすめは?

「WiMAX +5G」がアップロードが最も高速なのでおすすめ

モバイル回線5G最大速度(ベストエフォート)4G最大速度
WiMAX +5Gダウンロード:4.2Gbps
アップロード:286Mbps
ダウンロード:440Mbps
アップロード:75Mbps
ドコモ home 5Gダウンロード:4.2Gbps
アップロード:218Mbps
ダウンロード:1.7Gbps
アップロード:131Mbps
SoftBank Airダウンロード:2.1Gbps
アップロード:非公開
ダウンロード:612Mbps
アップロード:非公開
Y!mobileダウンロード:2.4Gbps
アップロード:110Mbps
ダウンロード:838Mbps
アップロード:46Mbps
光回線1Gbps~10Gbps1Gbps~10Gbps

生配信におすすめなホームルーターは「WiMAX +5G」です。理由は最大アップロード速度が最も高速だからです。

生配信を安定してできるようにするためにはアップロード速度ができるだけ高速なものがおすすめです。

WiMAXのホームルーター「Speed Wi-Fi HOME 5G L13」はアップロード最大速度が286Mbpsとなっていて、ドコモ「home 5G」の218Mbpsよりも早いです。

実際に「みんなのネット回線速度(みんそく)」でユーザーの速度を確認してみると、ドコモhome 5G使用者が平均速度「17.69Mbps」なのに対して、Speed Wi-Fi HOME 5G L13使用者は平均速度「21.88Mbps」となっていて実際に高速になっているのがわかります。(2023年12月5日19時の確認時点での速度)

ただし実際の速度は契約者の環境によって様々なので注意が必要です。

また、料金を考えてもWiMAX +5のほうがおすすめです。

WiMAX +5とhome 5Gの基本料金は両方とも月額4,950円ですが、ホームルーター本体の価格の差が大きいです。

WiMAX +5のルーター「Speed Wi-Fi HOME 5G L13」の本体価格は27,720円ですが、home 5Gのルーター「home 5G HR02」の本体価格は71,280円となっていて、2倍以上の価格の差があります。

料金面で考えても「WiMAX +5G」のほうがおすすめです。


「WiMAX +5G」を詳しく見たい方、契約したい方はこちら

※WiMAX「Speed Wi-Fi HOME 5G L13」以外は286Mbpsより遅いので注意

ホームルーター「Speed Wi-Fi HOME 5G L13」は上り最大速度286Mbpsですが、モバイルルーター「Speed Wi-Fi 5G X12」は上り最大速度183Mbpsとなっていて「ドコモ home 5G」よりも遅いので注意してください。

SoftBank Air、Y!mobileはおすすめではない

SoftBank Air、Y!mobileはおすすめできません。

SoftBank Airがおすすめではない理由は、まず最大送信速度が公表されていないですし、みんそくで実測アップロード平均速度を確認してみるとユーザーの平均アップロード速度は8.62Mbps(2023年12月5日確認時点)となっているからです。

また基本料金も月額5,368円と高く、ルーター本体の価格も71,280円と高いので料金的にもおすすめではありません。

Y!mobileの場合はホームルーターではなくモバイルルーターの「Pocket WiFi 5G A102ZT」があります。ですがこちらのベストエフォートの最大速度は「下り最大2.4Gbps / 上り最大110Mbps」とWiMAX +5Gやhome 5Gの半分程度しかないのでおすすめできません。