10GbE LANカードでPCの消費電力はどれくらい増える?電気代・発熱・測定方法を解説
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最終更新日:2026年9月10日
10GbE LANカードをパソコンに増設すると、1GbEや2.5GbEより高速な有線通信ができます。一方で、気になるのが消費電力と発熱です。
10GbE LANカードの消費電力は、製品や搭載コントローラーによって大きく変わります。そのため、単純に「10GbEなら何W」とまとめることはできません。新しい省電力設計の製品と旧世代のサーバー向けカードでは、2倍以上の差が出ることもあります。
10GbE LANカードを増設したときのPC全体の消費電力は、一般的には約5~15W増えると考えるのが現実的です。
比較的新しい1ポート製品なら、5~10W前後に収まることがあります。一方、旧世代や2ポートの10GBASE-Tカードでは、10~15W級になる場合があります。さらに、高速通信中はCPUやSSDも動きます。そのため、コンセントで測ったPC全体の増加量は、LANカード単体の公称値より大きくなる場合があります。
この記事では、メーカーの公式資料をもとに、10GbE LANカードの消費電力や年間電気代を解説します。発熱や電源ユニットへの影響、正確な測定方法もまとめています。
10GbE LANカードによる消費電力の増加は約5~15Wが目安

家庭用PCへ10GbE LANカードを1枚追加する場合、消費電力の増加は約5~15Wを目安にしてください。
ただし、この数値がすべての製品に当てはまるわけではありません。搭載チップやポート数、接続速度によって変わります。ケーブル、ドライバー、通信負荷などの影響も受けます。
| 10GbE LANカードの種類 | 増加する消費電力の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 比較的新しい1ポート10GBASE-Tカード | 約5~10W | 一般家庭やクリエイターPCで選びやすい |
| 旧世代の1ポート10GBASE-Tカード | 約9~11W | 中古品は安いが、消費電力と発熱が大きい場合がある |
| 旧世代の2ポート10GBASE-Tカード | 約14~16W | サーバー向けが多く、家庭用では2ポートを使い切りにくい |
| 新しい省電力設計のサーバー向けカード | 約5W前後から | 世代更新によって2ポートでも低消費電力化している |
| 2.5GbE LAN | 約2W前後から | 10GbEより速度は低いが、消費電力と発熱を抑えやすい |
表の数値は、購入前に予算や冷却を考えるための目安です。製品仕様に書かれたTDPや最大消費電力と、コンセントで測るPC全体の消費電力は同じではありません。
LANカードの規格やPCI Expressのレーン数、対応OSなども確認したい場合は、関連記事の10ギガ対応LANカードの選び方も参考にしてください。
10GbE LANカードの公式な消費電力を比較
メーカー公式資料を比べると、同じ10GbEでもカードの世代やポート数によって約5~16Wと大きな差があります。
ここでは代表例として、Intel製10GbEコントローラーとネットワークアダプターの公表値を比較します。
| 製品・コントローラー | ポート数 | 公表されている電力 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| Intel X540-T1 | 1ポート | 10Gbps時:約9.4~10.5W | 旧世代の10GBASE-Tカード |
| Intel X540-T2 | 2ポート | 10Gbps時:約14.3~15.8W | カード全体の代表的な消費電力 |
| Intel X550-AT2 | 2ポート | TDP:11W | LANカード全体ではなくコントローラーの値 |
| Intel E610-XT2 | 2ポート | 最大5.2W | OCP 3.0向けの新しいサーバー用アダプター |
| Intel I225-V | 2.5GbE・1ポート | TDP:1.95W | 10GbEではなく2.5GbEコントローラー |
Intelの公式資料では、X540-T1は10Gbps接続時に約9.4Wまたは10.5Wです。X540-T2は約14.3Wまたは15.8Wとされています。チップのリビジョンによっても消費電力は変わります。
新しいIntel E610-XT2は、2ポート製品ながら最大5.2Wです。IntelはX550-T2と比べて約60%削減したと説明しています。世代が新しくなるにつれて、10GbEの消費電力が大きく改善していることが分かります。
ただし、E610-XT2は家庭向けの一般的なPCIe LANカードと同じ条件ではありません。表の数値は「10GbEなら必ずこの消費電力になる」という意味ではありません。世代による違いを見るための参考値です。
LANカード単体とPC全体の消費電力は分けて考える
LANカードの仕様に書かれた5Wや10Wは、コンセントで測るPC全体の増加量と一致するとは限りません。
LANカードは、PCの電源ユニットから直流電力を受け取ります。一方、家庭用のワットモニターで測るのは、電源ユニットへ入る前の交流電力です。
電源ユニットでは、電力を変換するときに損失が発生します。たとえば、LANカードが5W使った場合、コンセント側では5Wを少し上回る増加になる可能性があります。電源ユニットの変換効率は、負荷率や製品によって変わります。
さらに、10GbEで大容量データを転送すると、LANカード以外にも次の部品が動作します。
- CPUによる通信処理
- SSD・HDDの読み書き
- メモリへのデータ転送
- PCI Expressインターフェース
- 温度上昇に伴うケースファンの回転数増加
たとえば、LANカード単体では7Wの増加でも、高速なNAS転送中はPC全体で15~30W増えることがあります。この差には、SSDやCPUが処理に使う電力も含まれています。
PC性能が回線速度へ与える影響については、PCのスペックが低いと回線速度も遅くなる?で詳しく解説しています。
10Gbpsで接続するだけでも消費電力は増える
10GbE LANカードは、大量のデータを転送していないときでも、10Gbpsのリンクを維持するために電力を使います。
「インターネットを使っていなければ、LANカードの消費電力はほぼ0W」とは限りません。10GBASE-Tでは、RJ45ケーブルで高速なリンクを維持するため、信号処理が続きます。
Intel X540の公式資料では、1ポートのX540-T1は10Gbps接続時に約9.4Wです。1Gbps接続時は約6.6Wで、同じLANカードでもリンク速度によって約2.8Wの差があります。
2ポートのX540-T2では、10Gbps時が約14.3Wです。1Gbps時は約8.7Wとなっており、約5.6Wの差があります。
正確に比べるには、インターネットの通信量だけを見るのではなく、次の状態を分けて測定します。
- LANケーブルを接続していない状態
- 1Gbpsでリンクしている状態
- 2.5Gbpsまたは5Gbpsでリンクしている状態
- 10Gbpsでリンクしているが通信していない状態
- 10Gbpsで連続転送している状態
10ギガ光回線を契約していても、常に10Gbps相当のデータが流れているわけではありません。ただし、10Gbpsでリンクしている間は電力を使い続けます。
10GBASE-Tの消費電力が増えやすい理由
10GBASE-Tは、一般的なRJ45ケーブルで10Gbps通信をするために複雑な信号処理が必要です。そのため、1GbEや2.5GbEより消費電力と発熱が増えやすくなります。
高速な信号処理が必要になる
10Gbpsのデータを銅線ケーブルで安定して送受信するには、LANコントローラーとPHYによる高度な処理が必要です。
10GBASE-Tでは、信号の変調やエラー補正、ノイズ対策、エコーキャンセルなどを行います。こうした処理を高速で続けるため、1GbEより多くの電力が必要になります。
LANカードにコントローラーとPHYを搭載する
増設型の10GbE LANカードは、通信を処理するコントローラーと、RJ45端子へ信号を出すPHYをカード上に搭載しています。
小さな基板の上で数Wから十数Wを消費します。そのため、多くの製品ではカード表面に比較的大きなヒートシンクが付いています。
ポート数が増えると消費電力も増えやすい
家庭で10GbEを1系統しか使わないなら、2ポートカードより1ポートカードのほうが消費電力と発熱を抑えやすくなります。
2ポート製品は、サーバーの冗長化や複数ネットワークへの接続、ルーティングなどに向いています。一般家庭でルーターとPCをつなぐだけなら、2ポートを搭載するメリットは限られます。
旧世代の中古カードは消費電力が大きい場合がある
中古の10GbE LANカードを価格だけで選ぶと、新品との価格差以上に発熱や騒音、電気代が増える可能性があります。
旧世代のサーバー向けカードは安く流通していますが、消費電力が10~15W級になる製品があります。ドライバーの対応状況や必要なPCIeレーン数、冷却条件も確認してください。
RJ45とSFP+では消費電力が異なる
短距離の10GbE接続で消費電力を抑えたいなら、SFP+とパッシブDACケーブルは10GBASE-Tより有利になることがあります。
| 接続方法 | 消費電力の傾向 | 家庭での使いやすさ |
|---|---|---|
| 10GBASE-T・RJ45 | 比較的大きい | 一般的なLANケーブルを使えて接続しやすい |
| SFP+・パッシブDAC | 抑えやすい | PCとNAS・スイッチを近距離で接続する用途向け |
| SFP+・光トランシーバー | トランシーバー分の電力が加わる | 長距離配線や電気的な絶縁が必要な用途向け |
| SFP+・10GBASE-Tトランシーバー | 大きくなりやすい | 発熱、対応距離、スイッチとの互換性に注意 |
SFP+カードだからといって、必ず消費電力が低くなるわけではありません。カード本体とトランシーバー、ポート数を合わせて比較する必要があります。
家庭用10ギガルーターのLAN側は、RJ45が中心です。ルーターへ直接つなぐなら、多少消費電力が増えても10GBASE-T対応カードのほうが構成を簡単にできます。
10GbE LANカードの年間電気代
10GbE LANカードで消費電力が5~15W増える場合、年間電気代は1日8時間使用で約450~1,360円です。24時間稼働では約1,360~4,070円が目安です。
以下は、電力料金を1kWhあたり31円として計算した例です。31円は資源エネルギー庁の省エネ情報でも使われている目安単価です。ただし、実際の単価は契約先や地域、燃料費調整額などで変わります。
| 増加する消費電力 | 1日8時間使用 | 24時間稼働 |
|---|---|---|
| 5W | 年間約453円 | 年間約1,358円 |
| 10W | 年間約905円 | 年間約2,716円 |
| 15W | 年間約1,358円 | 年間約4,073円 |
計算式は次のとおりです。
- 年間電気代=増加した消費電力÷1,000×1日の使用時間×365日×電力単価
たとえば、LANカードの増設で10W増えたとします。1日8時間、1kWhあたり31円で使う場合は、次の計算になります。
10W÷1,000×8時間×365日×31円=約905円
一般的なデスクトップPCを必要な時間だけ使うなら、10GbE LANカードだけで年間電気代が大きく増える可能性は高くありません。
一方、NASや自宅サーバー、録画PCなどを24時間動かす場合は、カード選びによって年間数千円の差が出ます。5年間使うと、消費電力が10W違うカードでは電気代の差が約1万3,600円になります。
高速化すると1回の転送に使う電力量は減る場合がある
10GbEは瞬間的な消費電力が大きくても、転送が短時間で終わります。そのため、1回の作業に必要な電力量まで増えるとは限りません。
100GBのファイルを、規格上の速度をそのまま使える理想的な条件で転送すると仮定します。
| 接続速度 | 100GB転送の理論時間 | PC全体の消費電力を仮定した場合 | 転送中の電力量 |
|---|---|---|---|
| 1Gbps | 約13分20秒 | 70W | 約15.6Wh |
| 10Gbps | 約1分20秒 | 80W | 約1.8Wh |
この例では、10GbE接続時のPCが10W多く電力を使っています。それでも、処理時間が大幅に短くなるため、転送中に使う電力量は小さくなります。
実際には、プロトコルのオーバーヘッドやNAS、SSD、CPU、ネットワーク機器などがボトルネックになります。そのため、必ず10倍速くなるわけではありません。それでも、大容量ファイルを頻繁に扱うなら、「瞬間的なW数」だけでなく「処理が終わるまでの時間」も含めて考える必要があります。
10GbE LANカードのために電源ユニットを交換する必要はある?
正常な電源ユニットを使っている一般的なデスクトップPCなら、10GbE LANカードを1枚追加するだけで電源ユニットを交換する必要はほとんどありません。
10GbE LANカードの消費電力を最大15Wと見積もっても、650W電源の定格容量に対して約2.3%です。グラフィックボードを交換する場合と比べると、電源容量への影響は小さくなります。
一般的なPCIe接続のLANカードは、PCI Expressスロットから電力を受け取ります。そのため、GPUのような補助電源ケーブルは必要ありません。
ただし、次の状態では確認が必要です。
- 電源ユニットが古く、動作が不安定になっている
- GPUやCPUの消費電力に対して電源容量がすでに不足している
- PCIeライザーや非標準の変換アダプターを使用する
- 10GbEカードを複数枚搭載する
- 多数のHDD、SSD、拡張カードを同時に追加する
なお、650W電源を搭載していても、常に650Wを消費するわけではありません。650Wは供給できる上限の目安です。実際の消費電力は、CPUやGPU、LANカードなどが必要とする電力で決まります。
10GbE LANカードの影響が大きいPC・小さいPC
同じ10Wの増加でも、高性能ゲーミングPCでは影響が小さく、低消費電力サーバーでは影響が大きくなります。
| PCの種類 | 元の消費電力例 | 10W増加した場合 | 影響 |
|---|---|---|---|
| 高性能ゲーミングPC | ゲーム中400W | 約2.5%増 | 全体への影響は小さい |
| 一般的なデスクトップPC | アイドル時50W | 約20%増 | アイドル時には無視できない |
| 省電力サーバー | アイドル時25W | 約40%増 | 常時稼働では影響が大きい |
| クリエイターPC | 作業中150W | 約6.7%増 | 転送時間短縮との比較が必要 |
ゲーミングPCでは、GPUやCPUと比べると、10GbE LANカードが占める消費電力の割合は小さくなります。ただし、ゲームをしていないアイドル時間では、LANカードの割合が大きくなります。
オンラインゲームでは、10GbEへ変更しても平均FPSが上がるわけではありません。大容量ゲームのダウンロードや家族の同時通信では効果があります。ただし、Pingは接続先サーバーや通信経路にも左右されます。詳しくは10ギガ回線でオンラインゲームは有利になる?をご覧ください。
10GbEと2.5GbEはどちらを選ぶべき?
2.5Gbpsを超える通信を実際に使わないなら、消費電力、発熱、価格のバランスでは2.5GbEが有利です。
| 用途 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| Web閲覧・動画視聴 | 1GbE・2.5GbE | 10GbEを使い切る場面が少ない |
| オンラインゲーム | 1GbE・2.5GbE | 必要帯域よりPingと安定性が重要 |
| 10ギガ光回線を家族で共有 | PCは2.5GbEでも可 | 1台で10Gbpsを使い切らなくても回線全体には余裕がある |
| 高速NASから動画素材を編集 | 10GbE | 数百MB/s以上の転送を利用しやすい |
| 数百GBのバックアップ | 10GbE | 待ち時間を短縮しやすい |
| 24時間稼働の省電力サーバー | 用途に応じて2.5GbE | 年間電気代と発熱の影響が大きい |
Intel I225-VのTDPは1.95Wです。カード全体の消費電力とは異なりますが、10GbEコントローラーより省電力な構成にしやすいことが分かります。
10ギガ回線を契約していても、すべてのPCを10GbE化する必要はありません。たとえば、メインPCとNASだけ10GbEにする方法があります。ゲーム機やサブPCは2.5GbE、スマートフォンはWi-Fiという構成も合理的です。
判断基準は、関連記事の2.5GbE対応PCなら10ギガ回線を契約する意味はある?でも解説しています。
10GbE LANカードの消費電力を正確に測る方法
消費電力を正確に比べるには、ソフトウェア上の推定値ではなく、コンセントへ接続するワットモニターを使います。
一般的なPC監視ソフトでは、CPUやGPUの消費電力は確認できます。一方、PCIe LANカード単体の消費電力は、正確に取得できない場合があります。そのため、増設前後のPC全体を同じ条件で測る方法が現実的です。
| 手順 | 作業内容 | 確認・記録すること |
|---|---|---|
| 1.増設前の消費電力を測る | PC起動後、温度とバックグラウンド処理が落ち着くまで待ってから測定する | アイドル時の消費電力を3回記録する |
| 2.使用条件をそろえる | モニター、USB機器、電源プラン、画面の明るさ、起動アプリを変更しない | LANカード増設以外の条件差をなくす |
| 3.LANカードを取り付ける | メーカー指定のPCIeスロットへ取り付け、公式ドライバーを導入する | 正しく認識されているか、エラーがないか確認する |
| 4.リンクなしの状態を測る | LANケーブルを接続せず、LANカードだけを認識させた状態で測定する | LANカードを搭載しただけで増えた消費電力を記録する |
| 5.10Gbpsリンク時を測る | 10GbE対応ルーターまたはスイッチへ接続し、通信していない状態で測定する | 10Gbpsのリンク維持に必要な消費電力を記録する |
| 6.連続通信中を測る | 同じNASへのファイル転送やiperf3を実行する | 転送中の平均消費電力、転送速度、カードの温度を記録する |
| 7.3回の中央値を比較する | 同じ条件で各測定を3回行う | 瞬間的な最低値・最高値ではなく、3回の中央値で増設前後を比較する |
測定結果は、次のように記録すると比較しやすくなります。
| 測定条件 | 増設前 | 増設後 | 差 |
|---|---|---|---|
| アイドル・LAN未接続 | ○W | ○W | ○W |
| 1Gbpsリンク・待機中 | ○W | ○W | ○W |
| 10Gbpsリンク・待機中 | ― | ○W | ○W |
| 10GbE連続転送中 | ― | ○W | ○W |
増設前後でWindows Updateやウイルススキャンが動くと、LANカード以上の差が出る可能性があります。測定中はタスクマネージャーで、CPUやディスク、ネットワーク使用率も確認してください。
10GbE LANカードの消費電力を抑える方法
消費電力を抑えたいなら、古い中古カードを避け、必要なポート数と通信速度に合った新しい製品を選ぶのが効果的です。
新しい世代のコントローラーを選ぶ
同じ10GbEでも、新しい世代のコントローラーほど電力効率が改善されている傾向があります。
製品名だけでなく、搭載コントローラーやTDP、最大消費電力、発売時期も確認してください。仕様が公開されていない場合、ヒートシンクの大きさやレビューだけで消費電力を判断することはできません。
必要がなければ1ポート製品を選ぶ
ルーターまたはNASへ1本だけ接続する家庭では、1ポートの10GbE LANカードで十分です。
使わない2ポート目のために、価格や基板面積、発熱を増やす必要はありません。中古のサーバー向けカードが安くても、長期的な電気代まで含めて比べてください。
2.5GbE・5GbEで足りるなら無理に10Gbpsでリンクしない
実際の通信速度が2Gbps程度までなら、2.5GbE接続へ落とすことで消費電力と温度を下げられる可能性があります。
ただし、LANカードやルーター、スイッチの組み合わせによって対応速度は異なります。手動で速度を固定するとリンクできなくなる場合があります。設定を変える前に、元の状態を記録してください。
Energy Efficient Ethernetを確認する
LANカード、ドライバー、接続先機器がEnergy Efficient Ethernetに対応していれば、通信量が少ない時間の消費電力を抑えられる場合があります。
ただし、EEEの対応状況や安定性は製品によって異なります。省電力設定を変えた後は、リンク切れや速度低下、スリープ復帰なども確認してください。
使わない時間はPCをスリープまたは終了する
1日数時間しか使わないPCでは、LANカードを細かく調整するより、使わない時間にPCをスリープさせるほうが節電効果は大きくなります。
Wake on LANを使う場合は、シャットダウン中でもLAN機能へ待機電力が供給されることがあります。対応状況は、LANカードとマザーボードの仕様を確認してください。
消費電力より発熱対策を優先したほうがよいケースもある
10GbE LANカードの電気代が許容範囲でも、約5~15Wの熱が小さなカード上に集中します。そのため、ケース内のエアフローは確認が必要です。
10WはPC全体で見ると小さく感じます。一方、LANカードは小さなヒートシンクだけで放熱する製品が多く、表面温度が高くなりやすい部品です。
次の状態では、消費電力よりも冷却不足が問題になる可能性があります。
- LANカードをGPUの直下へ取り付けている
- 小型ケースやスリムケースを使用している
- ケース前面から背面への風が流れていない
- 大容量ファイルを長時間転送する
- ヒートシンクの小さい中古カードを使用している
- 夏場の室温が高い
カードが熱いだけで、故障とは判断できません。ただし、転送開始直後は速いのに、時間が経つと速度低下やリンク切れが起きる場合があります。その場合は、温度とエアフローを確認してください。
具体的な設置方法は、10GbEは発熱しやすい?LANカードとルーターの熱対策で解説しています。
10GbE LANカードを増設する価値がある人
年間数百円から数千円の電気代が増えても、大容量転送の待ち時間を短くするメリットのほうが大きい人には、10GbE LANカードが向いています。
- 10GbE対応NASから動画・写真素材を直接編集する
- 数百GB単位のバックアップを頻繁に行う
- 複数台のPC間で大容量ファイルを移動する
- 10ギガ光回線で1Gbpsを超える速度を利用したい
- ゲームやソフトの大容量ダウンロードを短縮したい
- 家族の同時通信中もメインPCの帯域を確保したい
- 待ち時間の短縮が仕事の生産性へ直結する
Web閲覧や動画視聴、オンラインゲーム、Web会議が中心なら、10GbE化の優先度は低くなります。1Gbpsや2.5Gbpsに不満がない場合も同様です。
LANカード以外も含めた導入費用については、10GbE対応PCを作るにはいくらかかる?も参考にしてください。
10GbE LANカードの消費電力に関するよくある質問
消費電力は、リンク速度や稼働時間、ポート数、PC全体の負荷まで含めて判断します。
10GbE LANカードを付けるとPCの消費電力は何W増えますか?
目安は約5~15Wです。新しい1ポート製品では5~10W前後、旧世代の2ポート製品では15W前後になる場合があります。
正確な数値を知りたい場合は製品仕様を確認し、増設前後をワットモニターで測定してください。
10GbE LANカードを付けると電気代はいくら増えますか?
10W増える場合、1日8時間使用で年間約905円、24時間稼働で年間約2,716円が目安です。
1kWhあたり31円で計算しています。実際に計算するときは、契約している電気料金の単価へ置き換えてください。
通信していなくても電力を消費しますか?
通信していない状態でも、10Gbpsのリンクを維持している間は電力を消費します。
LANケーブル未接続、1Gbpsリンク、10Gbpsリンクでは、消費電力が異なる場合があります。
10GbE LANカードのために650W電源を750Wへ交換すべきですか?
10GbE LANカードを1枚追加するだけなら、通常は電源ユニットを交換する必要はありません。
ただし、GPUやCPUによって電源容量をすでに使い切っている構成では、PC全体の最大消費電力を確認してください。
10GbE LANカードが熱くなるのは故障ですか?
ヒートシンクが触れ続けられないほど熱く感じても、それだけで故障とは判断できません。
温度センサーの値やメーカーの動作温度を確認してください。速度低下やリンク切れが起きていないかも確認します。火傷する可能性があるため、動作中のヒートシンクへ直接触れて温度を判断するのは避けましょう。
消費電力を考えると2.5GbEのほうがおすすめですか?
実際の通信速度が2.5Gbps以内で足りるなら、2.5GbEのほうが価格、消費電力、発熱のバランスに優れています。
高速NASや数百GBのバックアップ、10ギガ光回線の速度測定など、2.5Gbpsを超える用途がある場合は10GbEを検討してください。
まとめ
10GbE LANカードを増設すると、PCの消費電力は約5~15W増えるのが目安です。一般的なデスクトップPCでは、電源容量よりも発熱と長時間稼働時の電気代を確認しておきましょう。
- 比較的新しい1ポート製品は約5~10Wがひとつの目安
- 旧世代の1ポート製品では約9~11Wになる場合がある
- 旧世代の2ポート製品では約14~16Wになる場合がある
- 10Gbpsでリンクしているだけでも電力を消費する
- 通信中はCPUやSSDも動くため、PC全体の増加量はさらに大きくなる場合がある
- 10W増加・1日8時間なら年間電気代は約905円
- 一般的なPCではLANカードだけを理由に電源交換する必要はない
- 24時間稼働では新しい省電力カードや2.5GbEも検討する
10GbEは消費電力が増えますが、大容量データの転送時間を大幅に短くできる可能性があります。単純なW数だけで判断する必要はありません。「待ち時間を何分短縮できるか」「PCを何時間動かすか」「2.5GbEを超える速度が本当に必要か」で考えると選びやすくなります。
関連記事
10GbE LANカードの選び方や費用、発熱、2.5GbEとの違いは、以下の記事で詳しく解説しています。
- 10ギガ対応LANカードの選び方|PCIeスロットや端子の違いを解説
- 10GbEは発熱しやすい?LANカードとルーターの熱対策
- 10GbE対応PCを作るにはいくらかかる?
- 2.5GbE対応PCなら10ギガ回線を契約する意味はある?
- PCのスペックが低いと回線速度も遅くなる?
- 10ギガ回線でオンラインゲームは有利になる?
参考資料
公表値を比べるときは、LANカード全体の消費電力とコントローラー単体のTDPを混同しないようにしてください。
- Intel Product Change Notification 112014-00(X540-T1・X540-T2)
- Intel Ethernet Network Adapter E610-XT2・XT4 Product Brief
- Intel Ethernet Controller X550-AT2 Specifications
- Intel Ethernet Controller I225-V Specifications
- 資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約」


