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LANケーブルを20m・30m延ばすと速度は落ちる?長距離配線の注意点を解説

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最終更新日:2026年9月4日

ルーターからパソコンまで距離があると、「LANケーブルを20m・30mまで延ばすと、回線速度が遅くなるのでは」と心配になるかもしれません。

規格に対応した品質のよいLANケーブルを使っていれば、20m・30m程度で通信速度が大きく落ちることは基本的にありません。

一般的な1ギガ回線なら、Cat5e以上のLANケーブルで最大100mまで通信できます。10ギガ回線でも、Cat6Aを使えば最大100mまで10Gbps通信に対応します。Ciscoの機器仕様でも、1Gbpsは最大100m、10GbpsはCat6で最大55m、Cat6Aで最大100mが目安として示されています

ただし、古いケーブルや品質の低いケーブル、LANケーブル同士を何度も継ぎ足した配線では、20m・30mでも速度低下や通信エラーが起こることがあります。

この記事では、LANケーブルを長くしたときに速度へどのような影響があるのか、20m・30mのLANケーブルを選ぶときに何を確認すべきかを解説します。

LANケーブルは20m・30mでも速度が落ちない

a yellow ethernet cable on a blue background

LANケーブルは、長くなるほど信号が少しずつ減衰します。ただし、規格の範囲内であれば、機器側が正常に信号を読み取れるように設計されています。

そのため、LANケーブルを1mから30mに変更したからといって、通信速度が距離に比例して落ちるわけではありません。

正常なLANケーブルを使っているなら、1mでも30mでもリンク速度は基本的に同じです。

たとえば、パソコンとルーターが1Gbpsで接続されていれば、30mに延ばしても1Gbps接続のまま使えます。

LANケーブルの状態が悪い場合は、通信速度が少しずつ下がるというより、次のような症状が出る傾向があります。

  • 1Gbpsではなく100Mbpsで接続される
  • 通信が途中で切断される
  • パケットロスが発生する
  • 速度が不安定になる
  • ケーブルを動かすと接続が切れる

20m・30mという距離だけを理由に、通信速度を心配する必要はありません。

LANケーブルの最大距離は基本的に100m

一般的なメタルLANケーブルを使うEthernetでは、最大通信距離の目安は100mです。

通信規格最大速度対応ケーブル最大距離の目安
100BASE-TX100MbpsCat5以上100m
1000BASE-T1GbpsCat5e以上100m
2.5GBASE-T2.5GbpsCat5e以上100m
10GBASE-T10GbpsCat655m程度
10GBASE-T10GbpsCat6A100m

Ciscoの仕様では、100Mbps・1Gbps・2.5Gbpsは対応ケーブルで最大100m、10GbpsはCat6で最大55m、Cat6Aで最大100mとされています。

ただし、この100mは、単純にLANケーブル1本だけの長さを示しているとは限りません。

建物内の構内配線では、一般に次のような構成を含む通信経路全体を「チャネル」として扱います。

  • 壁内などに設置する固定配線:最大90m
  • 機器と接続するパッチケーブル:合計最大10m
  • LANコンセント
  • パッチパネル
  • 中継コネクタ

規格上、チャネル全体は固定配線とパッチケーブルを含めて最大100mが基本です。

家庭で20m・30mの完成品LANケーブルを1本使う場合は、その長さで対応カテゴリと通信速度が明記されている製品を選んでください。

1ギガ回線なら20m・30mでもCat5e以上で問題ない

1ギガ光回線で使うなら、20m・30m程度の配線はCat5e以上のLANケーブルで対応できます。

1Gbps通信に使用される1000BASE-Tは、Cat5e以上のLANケーブルで最大100mまで対応しています。Ciscoの機器仕様でも、1000BASE-Tの最大ケーブル長は100mとされています。

そのため、一般家庭で次のような配線をしても、距離だけが原因で大幅に遅くなる可能性は低いでしょう。

  • 1階のルーターから2階のパソコンまで20m
  • リビングから離れた仕事部屋まで30m
  • 廊下や壁沿いを迂回して25m
  • ONUから別室のルーターまで30m

これから新しく購入するなら、価格差が小さいことが多いため、Cat5eではなくCat6を選んでもよいでしょう。

ただし、1Gbps通信にCat7やCat8が必要なわけではありません。一般家庭の1ギガ回線であれば、Cat6でも十分です。

10ギガ回線ではCat6Aがおすすめ

10ギガ光回線で20m・30mのLANケーブルを使う場合は、Cat6Aを選ぶのがおすすめです。

Cat6でも10Gbps通信に対応しますが、距離の目安は最大55mです。実際の通信品質は、ケーブルの束ね方、周囲のノイズ、コネクタの加工品質などにも左右されます。Cat6Aは10GBASE-Tで最大100mに対応するため、長距離配線でも余裕を確保できます。

使用環境推奨LANケーブル
1ギガ回線・20mCat5eまたはCat6
1ギガ回線・30mCat5eまたはCat6
2.5ギガ回線・20~30mCat6以上
10ギガ回線・20mCat6A推奨
10ギガ回線・30mCat6A推奨
壁内配線を新設するCat6A推奨

20m・30mならCat6でも10Gbpsで接続できる可能性は高いものの、これから購入するならCat6Aを選ぶほうが無難です。

エレコムやサンワサプライからも、10GBASE-Tに対応した20m・30m・100mのCat6A製品が販売されています。

10ギガ回線を生かすには、LANケーブルだけでなく、ルーターやパソコンのLANポートも10Gbpsに対応している必要があります。詳しくは「10ギガ光回線に必要な機器一覧」で解説しています。

30mに延ばしてもPingへの影響はほとんどない

オンラインゲームをする人は、LANケーブルを長くするとPingが高くなるのでは、と気になるかもしれません。

LANケーブル内でも信号の伝送には時間がかかるため、厳密にはケーブルが長くなるほど遅延も増えます。ただし、20m・30mで増える遅延は非常に小さく、オンラインゲームで体感できるほどではありません。

LANケーブルの伝搬遅延の仕様例として、100mあたり最大536nsという数値があります。30mに換算すると片道約161ns、往復でも約0.00032msです。

インターネット回線のPingは通常ミリ秒単位で測定されるため、30mのLANケーブルによる遅延は実質的に無視できる大きさです。

Pingが高い場合は、LANケーブルの長さよりも次の原因を確認してください。

  • 回線やプロバイダの混雑
  • Wi-Fi接続
  • ゲームサーバーまでの距離
  • ルーターの処理性能
  • バッファブロート
  • 同一回線での大容量通信
  • ケーブルの破損によるパケットロス

LANケーブルを1mから30mに変更しても、正常に通信できていればゲームの操作感はほとんど変わりません。

20m・30mで速度が落ちる主な原因

LANケーブルを長くしたあとに速度が落ちた場合は、距離そのものではなく、ケーブルの規格や品質、配線方法に問題がある可能性があります。

LANケーブルのカテゴリが対応していない

古いLANケーブルでは、使いたい通信速度に対応していないことがあります。

特に10ギガ回線を使う場合、Cat5eのLANケーブルでは10GBASE-Tの正式な対応距離を確保できません。

10Gbpsで安定して通信したいなら、Cat6Aを選んでください。

LANケーブルのカテゴリは、通常ケーブルの表面に次のように印字されています。

  • CAT.5E
  • CAT.6
  • CAT.6A
  • CATEGORY 6A

カテゴリが分からないケーブルは、新しいケーブルへ交換したほうが安心です。

ケーブルやコネクタが破損している

LANケーブルの内部には、細い導線が複数入っています。家具で踏んだり、強く折り曲げたりすると、内部の導線が傷つくことがあります。

また、RJ45コネクタの爪や接点が破損している場合も、通信が不安定になります。

次のような状態のケーブルは、交換を検討してください。

  • ドアに挟まれている
  • 家具や椅子で踏まれている
  • ケーブルがつぶれている
  • 急角度で折り曲げられている
  • コネクタがぐらつく
  • ケーブルを触ると通信が切れる

見た目に問題がなくても、内部だけが断線しかけている場合があります。

品質の低い細いケーブルを使用している

スリムケーブルやフラットケーブルだからといって、必ず遅いわけではありません。対応カテゴリと通信速度が明記されたメーカー製品なら、20m・30mでも問題なく使える製品があります。

ただし、一般に、導体が細くなるほど信号損失は増えやすくなります。Fluke Networksも、細い28AWGのパッチケーブルでは挿入損失が増えるため、チャネル全体の許容距離を短くする必要があると説明しています。

長距離配線では、極端に細い製品やメーカー不明の製品より、標準的な太さのLANケーブルを選ぶほうが安心です。

中継コネクタで何度も延長している

LANケーブルを延長アダプタで接続しても、1か所程度で直ちに速度が落ちるとは限りません。

ただし、接続箇所が増えるほど、次のような問題は起きやすくなります。

  • コネクタ部分の接触不良
  • 信号の反射
  • 挿入損失の増加
  • カテゴリの不一致
  • ケーブルが抜ける
  • 故障箇所を特定しにくい

構内配線の100mチャネルは、コネクタを含む条件を考慮して設計されていますが、家庭で延長アダプタを何個も連結する配線はおすすめできません。100m以内であっても、コネクタやケーブルの品質によって通信品質は変わります。

5mと20mのケーブルをつないで25mにするより、最初から30mのケーブルを1本使うほうが安定しやすくなります。

電源ケーブルなどと長距離で束ねている

LANケーブルはノイズの影響を受けにくいよう、内部の導線がより合わされています。しかし、強い電気ノイズが発生する設備の近くを通したり、多数のケーブルをきつく束ねたりすると、通信品質に影響する可能性があります

特に10Gbps通信では、ケーブルの束ね方、ケーブル同士の干渉、終端処理の品質なども通信可能距離に影響します。

家庭内では、次の点を意識してください。

  • 電源ケーブルと長距離で密着させない
  • ケーブルをきつく結束しない
  • 電源タップや大型家電の近くを避ける
  • 必要以上に余ったケーブルを強く巻かない
  • 屋外では屋外用LANケーブルを使用する

通常の家庭環境で、電源ケーブルと一時的に交差する程度なら、過度に心配する必要はありません。

LANケーブルを延ばして遅くなったときの確認方法

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20m・30mのLANケーブルへ交換して速度が落ちた場合は、次の順に確認してください。

1.パソコンのリンク速度を確認する

まず、パソコンとルーターが何Gbpsで接続されているか確認します。

Windows 11では、次の手順で確認できます。

  1. 「設定」を開く
  2. 「ネットワークとインターネット」を選ぶ
  3. 「イーサネット」を選ぶ
  4. 「リンク速度」を確認する

1ギガ対応機器を使用しているのに「100/100Mbps」と表示されている場合は、LANケーブルやコネクタに問題がある可能性があります。

正常であれば、一般には次のように表示されます。

接続規格リンク速度の表示例
1Gbps1000/1000Mbps
2.5Gbps2500/2500Mbps
10Gbps10000/10000Mbps

リンク速度はインターネットの実測速度ではなく、パソコンと接続先機器の間で確立している通信速度です。

パソコンのLANポートが1Gbpsまでしか対応していない場合は、Cat6Aケーブルへ交換しても1Gbpsを超えません。デスクトップパソコンを10GbE化する方法については「10ギガ対応LANカードの選び方」で解説しています。

2.短いLANケーブルと比較する

ルーターの近くにパソコンを移動できるなら、短いLANケーブルへ交換して速度を測定します。

  • 短いケーブルでは正常
  • 30mのケーブルでは遅い

この場合は、30mのケーブル本体、コネクタ、配線経路のいずれかに問題がある可能性があります

一方、短いケーブルでも速度が変わらない場合は、光回線、ルーター、パソコンなど、LANケーブル以外に原因があると考えられます。

3.別のLANポートに接続する

ルーターやスイッチングハブに複数のLANポートがある場合は、別のポートに接続します。

特定のLANポートだけで速度が低下する場合は、ポートの故障や設定が原因の可能性があります。

ルーターによっては、すべてのLANポートが同じ速度に対応しているとは限りません。

たとえば、10ギガ対応ルーターでも次のような構成があります。

  • 10Gbps対応ポート:1つ
  • 1Gbps対応ポート:3つ

10Gbps対応ケーブルを使用していても、1Gbpsポートに接続すれば最大速度は1Gbpsになります。

「10ギガ対応」と書かれたルーターでも、10Gbps対応なのはWANポートだけで、LANポートは1Gbpsや2.5Gbpsまでという製品があります。詳しい確認方法は「10ギガ対応ルーターの選び方」を参考にしてください。

4.インターネット速度ではなくLAN内速度を測定する

インターネットの速度測定結果は、回線の混雑や測定サーバーの状態によって変わります。

LANケーブルの性能を正確に確認するには、2台のパソコン間でiPerf3などを使い、家庭内LANの通信速度を測る方法が有効です。

LAN内では正常な速度が出ているのにインターネットだけ遅い場合は、LANケーブルではなく、光回線やプロバイダ側に原因がある可能性が高くなります。

20m・30mのLANケーブルを選ぶポイント

長距離用のLANケーブルを購入するときは、カテゴリだけでなく、形状や設置場所も確認してください。

1ギガ回線ならCat6で十分

1ギガ回線で使うなら、Cat6がおすすめです。

Cat5eでも1Gbpsに対応しますが、Cat6はCat5eより伝送帯域に余裕があります。価格差も小さいため、新しく購入するならCat6を選びやすいでしょう。

ただし、Cat7やCat8に変更しても、契約している光回線やLANポートが1Gbpsなら、通信速度が1Gbpsを超えるわけではありません。

10ギガ回線ならCat6Aを選ぶ

10ギガ回線ではCat6Aを選んでください。

Cat6でも20m・30mなら10Gbpsで接続できる可能性がありますが、Cat6Aのほうが長距離で余裕があり、将来の配線変更にも対応しやすくなります。

特に壁内や天井裏に配線する場合は、簡単に交換できないため、Cat6Aを選ぶメリットが大きくなります。

できるだけ1本のケーブルで接続する

延長アダプタを使うより、必要な長さのLANケーブルを1本用意してください。

配線距離が22mなら、少し余裕を見て30mを選びます。ただし、余った部分を強く折り曲げたり、極端に小さく巻いたりしないでください。

屋外では屋外用ケーブルを使用する

通常のLANケーブルを屋外に設置すると、紫外線、雨、温度変化によって外皮が劣化することがあります。

屋外を通して別の部屋や建物まで延ばす場合は、耐候性や耐水性を備えた屋外用LANケーブルを使用してください。メーカーからは10GBASE-Tに対応したCat6Aの屋外用ケーブルも販売されています。

20mと30mではどちらを選ぶべき?

必要な距離が20m前後なら、配線経路を正確に測ってから選んでください。

LANケーブルは、部屋同士の直線距離より長く必要になることがあります。

  • 壁に沿って配線する
  • ドアの上を通す
  • 家具を迂回する
  • ルーターやパソコンの高さまで伸ばす
  • 配線を固定するための余裕を確保する

直線距離が15mでも、実際には20m以上必要になることがあります。

実際の配線距離選びやすいケーブル長
10~15m20m
15~23m30m
23~35m40~50m

ケーブルが短くて届かず、あとから延長アダプタを追加するより、少し余裕のある長さを選ぶほうがよいでしょう。

ただし、必要な距離が18mしかないのに、50mや100mを選ぶ必要はありません。規格内なら通信できますが、余ったケーブルの収納や取り回しが難しくなります。

まとめ

LANケーブルは、20m・30mまで延ばしても、規格に対応した正常な製品であれば通信速度は基本的に落ちません。

1ギガ回線ではCat5e以上で最大100m、10ギガ回線ではCat6Aで最大100mが目安です。20m・30mは、Ethernetの通信距離としては十分に余裕のある範囲です。

ただし、次のような場合は速度低下や通信エラーが起こることがあります。

  • ケーブルのカテゴリが不足している
  • ケーブルやコネクタが破損している
  • 品質の低い極細ケーブルを使用している
  • 延長アダプタで何度も継ぎ足している
  • 強いノイズ源の近くを通している
  • 1Gbps対応機器が100Mbpsでリンクしている

1ギガ回線ならCat6、10ギガ回線ならCat6Aを選び、できるだけ1本のLANケーブルで接続するのがおすすめです。

LANケーブルを交換して速度が落ちた場合は、インターネット速度だけで判断せず、まずパソコンのリンク速度を確認してください。

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